こんにちは、ウッチーです。
今回は統合失調症を患う方が、どのようにして社会復帰をすればいいのかまとめます。
ぜひ参考にしてみて下さい。
ストレス社会により精神疾患を患う方が増えています。
「日本では100万人を超える統合失調症の患者がいる」
意外と多いですよね?
そして、多くの方が統合失調症で苦しんでいます。
この病気は、特別なものではなく、誰でもなる可能性がある身近なものです。
「一度病気になってしまうと、療養のために社会から離れてしまう」
「療養期間は大切ですが、長くなるほど、社会復帰が難しくなる傾向がある」
僕は統合失調症になり、現在は就労継続支援A型という制度を使い、障害者の施設でWEBライターとして働いてきました。
ただ、現在はフリーのWEBライターとして独立し、「書く」ことで生計を立てています。
それでも、そこまでの道のりは、決して順風満帆だったわけではありません。
色々試行錯誤をしながら、社会復帰へ向けて動き出しました。
多くの統合失調症の患者が社会復帰に向けて、
「まずは何をするべきなのか分からない」
と言います。
また、仕事をしていないという焦りから、いきなりフルタイムの仕事を選んでしまい、病状が悪化するというケースが後を絶ちません。
統合失調症からの社会復帰は段階を踏んで行います。
まさに「ホップ・ステップ・ジャンプ」です。
つまり、いきなりは飛べないのです。
そこで、ウッチーの体験を元に、確実に社会復帰をするための手順について解説していきます。
□統合失調症について知ろう
日本には100万程度の患者がいるとされています。
「統計的には100人1人が罹患する」
つまり、それほど珍しい病でありません。
そして、主な症状は「幻覚」「幻聴」「妄想」です。
「他人に盗聴されている」
「周りから臭いと思われている」
このような被害妄想が発生します。
また、幻覚や幻聴といった症状もあるので、健常者からは理解を得られにくい病気です。
発症に男女差はあまりありませんが、男性は比較的若年層で発症し、女性は中年以降発症する場合があります。
統合失調症になると、社会や家庭で生活していくための力が失われてしまいます。
つまり、
「回復には長期間が必要」
ですが、現在では医療技術が進み、早期発見・早期治療を開始すれば多くの方が寛解状態(完全回復ではないが、薬によって症状が穏やかになること)になるの安心してください。
病気になったからと言って諦める必要はありません。
僕自身、
「生きるのに絶望した」
「辛い、死にたい!」
そんな風に感じましたが、現在では普通に暮らしています。
まずはしっかりと療養をし、病気と前向きに付き合っていく努力をしましょう。
僕の統合失調症の症状は、主に「幻視」と「幻聴」でした。
ありもしない夢のような幻視を見て、四六時中罵倒されるような声を聞いていました。
そのため、当時働いていた仕事を止めざるを得なくなり、療養のために社会から一歩離れたところで生活をしていました。
「働けないと辛い」
その悔しい思いは、死ぬほどわかります。
統合失調症の療養は年単位の長期間になるので、働いていないという後ろめたさとの戦いにもなるのです。
特に働き始める20代で病気を発症すると、仕事を覚える大切な時期を療養で奪われます。
そのため自己嫌悪はすさまじいものになります。
ですが、
「ここで焦ってはいけません」
これが重要です!
まずは病気をコントロールし、ある程度、生活リズムが整わなければ、社会復帰は難しいのです。
統合失調症とはどんな病気なのかは、コチラの記事で詳しく解説しています↓
□社会復帰するためにまずするべきこととは?
統合失調症の療養は年単位の長期にわたるため、休職が難しいのが現状です。
僕の知っている範囲でも休職して病気と戦うよりも、離職して療養する方が多かったですし、そちらを選ばれた方が、結果的に社会復帰は近くなります。
「急がば回れ」
という諺があるように、統合失調症は急いでも、返って病状を悪化させるだけなので、注意が必要。
多くの方が働いていないとい焦りから、フルタイムの仕事へ就いてしまい、体調を崩してしまうのです。
僕自身も、
「治療が全く進んでいないのに働いてしまい、痛い目を見ました」
病気により体は疲れ切っています。
そんな状態フルタイムの仕事を選んでも上手くいかないのは当然です。
とにかく焦りは禁物。
どっしりと構え、まずはしっかりと病気を治しましょう。
「では、療養中にはどのようなことをすればよいのでしょうか?」
これが重要になるので、まずは、そちらから解説していきます。
「病気は疎外感が酷い!」
僕は統合失調症になり、そんな風に感じていました。
病気になり、社会から離れた生活を送っていると、大きな疎外感が生まれます。
そこでおすすめなのが、
「普段行く場所を決めるということ」
こう考えると、大分楽になります。
行く場所はどこでも大丈夫です。
喫茶店でも図書館でもかまいません。
お金があまりかからず、通える範囲の場所を選ぶと良いでしょう。
「僕の場合は図書館を選びました」
それは、本が好きだったから。
それに、日本全国各地域に図書館はあるので、日々の居場所作りに最適。
統合失調症になると、物事を考える力が衰えてしまうので、本を読む行為によって、リハビリができます。
「読む本も、難しい本である必要はありません」
僕は小説に興味があったのですが、療養中はほとんど理解ができませんでした。
そこで幼児向けの絵本や児童文学など、読みやすいものを選び、少しずつ読んでいき、思考力や記憶力、判断力を回復させるようにすると効果的。
「療養中、最初は毎日行くのは難しい」
体力も精神力も衰えているので、頻繁に通うのが難しいのです。
特に最初は自分1人で活動できる居場所を選ぶと良いでしょう。
サークル活動などは、ある程度時間が経ち、生活のリズムが整ってから参加される方が、自分にとっても効果的。
まずは、週に2回程度を目安にし、居場所を作りましょう。
僕は最初の一歩として、
「週に2回図書館へ通いました」
1日中過ごすのは難しいので、午前中だけとか午後だけの短時間にし、本や絵本を読んで過ごしました。
慣れてきたら、
「行く時間帯を固定すると良い」
例えば朝9時に行くと決めたら、通う日はなるべく9時に行けるようにする。
そうすると徐々に生活リズムが整ってきて、次のステップに進めます。
大体どのくらいの期間を過ごせばいいのかは、その人のペースや病状によっても変わりますが、半年くらいを目安にされると良いでしょう。
僕の場合は、
「1年間図書館通いをして、最初は1日4時間程度を週に2日通っていました」
そして、最終的には週に4日、6時間程度過ごせるようになりました。
起きる時間も一定になり、症状も大分安定してきたので、少し不安はありましたが、医師の助言の元、次のステップに進む決意をしました。
□社会復帰に向けて利用したい制度について
次のステップに進む前に、ぜひ利用したい制度について解説していきます。
「本当に社会復帰できるか不安!」
確かにその通りです。
僕も、療養中はかなり不安でした。
そこで、社会復帰に向けた制度を紹介!
治療には費用がかかりますから、制度を利用すると、医療費を軽減させられ、金銭的な負担が減ります。
そのため、長期の療養が可能になり、金銭的な余裕も出るため、精神的な負荷が少なくなります。
【自立支援医療】
この制度は精神科の医療を受けている人が対象で、従来は3割負担の医療費が1割負担になるという制度です。
統合失調症だけでなく、他の精神疾患でも制度の利用が可能。
自分の所得によって、月に支払う医療費の上限が決まり、上限を超えた場合は、医療費の自己負担がなくなります。
僕も医師からこの制度を利用するように勧められ、医療費の軽減ができたのでオススメ!
この制度は金銭的な負担だけでなく、精神的な不安も解消してくれるので、病気になったら、まず利用を検討するといいでしょう。
【精神障害者福祉保健手帳】
自分の障害を認め、一定の障害があることを認定してくれる手帳です。
ウッチーも障害者として生きる道を選んだので手帳は取得しました。
これにより、さまざまな福祉サービスを受けられるようになります。
障害者手帳というと、
「健常者じゃなくなってしまう」
こんな恐れから取得を足踏みしてしまう方が見られますが、社会復帰に向けて、この手帳があるとないとでは大きな違いがあるので、手帳の取得をおすすめします。
この後紹介する、
これらのサービスを利用する場合、精神障害者福祉手帳が必要になる場合があるので、取得を検討してみましょう。
〇「デイケア」
〇「就労移行支援」
〇「就労継続支援」
精神障害者保健福祉手帳に関する記事はコチラをチェックして下さい↓
【障害年金】
65歳になると、一般的な年金が受給できますが、統合失調症により、障害状態になると、障害年金を受給できます。
ウッチーも障害年金を受給して、かなり助けられています。
特に療養中は金銭的な不安が大きくなりますから、年金という、国からの支援を受けられると、生活が随分と楽になりますし、精神的な負担が和らぎます。
但し、
「受給するためには資格が必要」
最初に病院に来院した日(初診日)から1年半経過していることが条件になりますが、自分の初診日を照らし合わせてみて、条件をクリアしているのであれば、医師に相談してみましょう。
受給には医師の「診断書」と、自分で記入する「病歴・就労状況申立書」が必要になります。
障害年金の種類は2つあり、
1つは「障害基礎年金」。
もう1つは「障害厚生年金」です。
障害基礎年金は1級と2級があり、それぞれ所定の年金額が支給されます。1級は月額81,177円。2級は月額64,941円支給されます。(2019年12月現在)
障害厚生年金は1級から3級まであり、基礎年金とは別に厚生年金が上乗せして受給できます。
よって、受給金額は障害基礎年金よりも多くなるのです。
初診日にどの年金を支払っていたかによって、受給できる年金の種類は変わるので注意。
たとえば、初診日に厚生年金を支払っていた場合、障害厚生年金を受給できる資格があるということです。
初診日に20歳未満だった場合は、障害基礎年金の受給になります。
僕の場合、初診日に厚生年金を支払っていたので、障害年金は「障害厚生年金」となり、現在も月額8万円ほど受給しています。
この制度は、統合失調症になったら絶対に受けた方がいいと言えます
障害を持った時、国からのサービスを恥ずかしがらずに申請すると良いでしょう。
日々の医療費が減額され、生活にゆとりが生まれます。
障害年金についてはコチラの記事もチェック!
「ゆとりのない生活では、なかなか就労へ向けた活動ができない」
ゆとりを持って生活できるようになりましょう。
また、自分の置かれた環境をより良いものにするためにも、さまざまな制度を利用し、就労へ向けて一歩ずつ進んでいきましょう。
□社会復帰に向けてデイケアを知ろう。
「精神の病気は長い戦い」
僕はそんな風に感じています。
また、そんな中、回復の手助けをしてくれる「デイケア」という病院や保健所がやっている外来治療があります。
簡単に言うと、患者さんたちが集まり、集団活動を行っていき、衰えた社会機能を回復させるリハビリテーションになります。
デイケアを行っている場所により、やることはさまざまですが、
〇「芸術療法」
〇「SST(社会生活機能訓練)」
〇「スポーツ」
〇「ゲーム」
これらを行っています。
デイケアは週に1回程度から通え、自分のペースで治療を進められるので、ある程度治療を受け、社会復帰に向けて動き出したい方にはちょうどいいサービスです。
僕は最初のステップとして、
「まずは週に2回、デイケアに通う」
これを目標にしました。
最大で週に5日通えますが、焦りは禁物。
なぜなら、集団活動は、予想以上に精神的な負荷がかかるから。
長期の療養を余儀なくされる統合失調症の患者さんにとって、週に1度でもハードルが高いので、無理のない範囲で通うようにしましょう。
1人ではなかなか難しい運動や社会生活の機能を回復させるプログラムが多数あるので、じっくりと取り組めば確実な効果が見込めます。
ただし、注意点もあります。
「デイケアは非常に扱いが難しい外来治療でもある」
患者さんたちが居心地よく過ごせるように、職員たちがバックアップしてくれるので、慣れてしまうと、なかなかそこから抜けられなくなってしまうのです。
僕の経験上、デイケアは1年程度の治療で十分だと思っています。
ある程度生活リズムが整い、活動できるようになると、人にもよりますが、大体の方は半年程度で週に5日通えるようになります。
「週に5日しっかり通え、活動できる」
こうなったら、次なるステップへ進む時が来たのだと決めると良いでしょう。
僕の場合、デイケアには半年程通いました。
途中で多くの方が入ったり辞めたりしましたが、上手く社会復帰される方の場合、半年から1年くらいの期間をデイケアで過ごし、リハビリを受けているケースが多いです。
デイケアでは同じ病気を持つ仲間ができ、活動も前向きにしてくれますが、そこが自分の居場所になってしまっては、社会復帰は遠のいていきます。
「最初は怖いです」
僕もそうでした。
それでも、しっかりとリハビリが進んだら、卒業しようという意識を忘れないようにすると効果的。
デイケアに関する記事は、コチラもチェック!
□就労へ向けてデイケアで受けたいプログラムとは?
デイケアには非常に様々なプログラムがあります。
ウッチーが実際に経験し、就労をする際に役に立ったプログラムについて紹介していきます。
デイケアのプログラムは通所する医療機関によって若干の差があるのですが、ある程度共通しているので、参考にしてみて下さい。
まずは「パソコン」のプログラムです。
今の時代、パソコンの技術はあって困るような知識でありません。
どんな職場を選んだとしても、パソコンができると仕事の幅が広がるので、就職活動をする際にもプラスに働きます。
デイケアではワードやエクセルを中心に文章作成や簡単な表計算のプログラムを学べるので、率先して受けてみましょう。
次のプログラムは「絵画療法」です。
簡単に言うと絵を描く治療方法です。
僕が経験した絵画療法は、実際に外部の講師の方が教えてくれ、色鉛筆による細密画や油絵、塗り絵などができました。
「とにかく心が安らぐ!」
これが絵画療法の特徴。
また、絵画療法をすると、衰えていた脳の機能が徐々に回復してきて、集中力のリハビリができます。
そして、定期的に作品の発表会があるので、やりがいにもつながります。
目的ができると日々の暮らしの送る活力が生まれ、就労に向けた効果的なリハビリができます。
一番受けたいプログラムは「SST(社会生活機能訓練)」
「ソーシャルスキル」という社会の中で他人と生活していくための技術を学べます。
統合失調症になると、病状の悪化から社会から一歩離れた環境に身を置きがち。
そうなると、社会生活を送るための機能、
例えば、
「コミュニケーション能力などが衰える」
そのような能力の向上とリハビリがSSTの目的となっています。
ロールプレイと呼ばれるプログラムを行います。
これは、講師や患者が現実に起こりうる状況を想定し、実際に演じてみる方法。
例えば、道に迷った時、人に道を尋ねますが、一度病気になると、このようなコミュニケーションさえ難しくなります。
それを実際に道を尋ねる人、道を教える人と分けて演じてみて、能力の回復と向上を図るのです。
SSTを行うと、やがてくる就労へ向けてのより良い準備ができるので、ぜひ受けてみて下さい。
□社会復帰へのステップ。就労移行支援について
デイケアである程度集団生活が送れるようになると、次のステップに進む段階にきていると言えます。
ですが、
「焦りは禁物」
デイケアから一気に就職するのはかなり難易度が高いので注意が必要。
間にワンクッションか、ツークッション置き、焦らずに社会復帰を目指すと良いでしょう。
次なるステップとして活用したいのが、福祉サービスの1つである「就労移行支援」。
これは一般就労を目指す障害者のために、障害者総合支援法に基づき作られた就労支援サービス。
数多くの事業所があり、就労へ向けた、さまざまなサービスを提供してくれます。
例えば、
〇ビジネスマナー
〇履歴書や職務経歴書の書き方
〇パソコン教室
などが学べます。
また、精神障害者に特化した事業所では、病気を持つ方々が集まり、意見交換をしたりもします。
このようなカリキュラムの他にも、スポーツを取り入れている事業所もあります。
このサービスは既に紹介した精神保健福祉手帳を持っていなくても受けられるので、窓口は広くなっています。
ウッチーもデイケアを卒業後、住んでいる地域の就労移行支援施設をいくつか見学しました。
区役所や市役所の障害課へ行くと、自分に合った事業所をいくつか紹介してくれるので便利です。
「1つに決めずに、いくつかの事業所を見学してみて、肌にあった場所を選ぶと◎」
就労移行支援施設は最大で2年間通所ができ、就労へ向けたサービスが受けられます。
僕が選んだ事業所では、就職活動のための、履歴書、職務経歴書の添削、ハローワークの利用の仕方などを分かりやすく解説してくれたので、非常にためになりました。
また、週に1度、区の体育館を借りてテニスやバレーボールなどのスポーツも経験でき、運動不足が解消されたのでよかったです。
社会復帰へ向け、同じような悩みを持つ仲間ができるのも、大きなメリットと言えるでしょう。
□利用したい就労移行支援の事業所とは?
「数多くの事業所があるので、正直どこを選んでよいのか迷ってしまう」
こんな風に思うかもしれません。
確かに、僕自身、かなりの数の就労移行支援事業所の存在を知り、行き先に迷ってしまいました。
就労移行支援のサービスなので、基本的なサービスのスタンスは似たようなところがありますが、僕の経験則で言えば、精神障害者に特化した事業所を選ぶと、ストレスは少なくなります。
このサービスは主に、障害者に向けた制度なので、利用者は精神障害者だけでなく、身体障害者の方や知的障害者の方もいらっしゃいます。
お互いに障害者なのですが、抱えている障害の種類が違うため、人によってはそれがストレスになる場合があります。
就労移行支援の事業所には、
「精神障害者に特化して、就労移行のサービスをしているところもある」
そのような場所を選ばれると、効率的に社会復帰へ向けた取り組みができるでしょう。
もちろん、お住まいの地区によっては、このような事業所がない場合もあります。
そのような時は、その事業所を利用している精神障害者の割合がどの程度なのか、あらかじめ確認しておくと効果的。
精神障害者を受け入れてくれる場所は、スタッフも知識が豊富であるため、就労だけでなく、病気や生活に関しての相談にも乗ってくれます。
僕が所属した事業所では、利用者が精神障害者に特化しており、定期的な面談の機会がありましたので、安心して就労へ向けた取り組みができました。
プログラムに関して言えば、ビジネスマナーやパソコン教室を行っている事業所を選ぶと、知識が高められるので、ぜひ活用してみましょう。
特にパソコンの知識は就職活動をする上で重要なポイントになってくるので、そのようなカリキュラムを行っている事業所を選ぶと、自分の技能を高められるのでオススメ。
僕の在籍した事業所では、「マイクロソフト・オフィス」の資格の支援もしてくれたので、本当に助かりました。
僕は実際に資格の取得はしませんでしたが、勉強し、オフィスの資格を取った利用者の方もいらっしゃいました。
自分の実績づくりにもなるので、パソコンのカリキュラムがある事業所を選ばれると、後の社会復帰へ向けて効果的な活動ができます。
□ハローワークの利用の仕方について
統合失調症の方が社会復帰を目指すために、ハローワークの利用は必須。
障害者職業センターなど、別の道もありますが、一般的にはハローワークを利用した方が、相談に乗ってくれ、就労へ向けたアドバイスをしてくれるので便利。
ハローワークには「障害者枠」という障害者専用の求人票があるので、社会から離れていて、いきなりフルタイムで働くのは難しいという方でも安心して就職活動ができます。
少し専門用語を紹介しましょう。
障害を隠さずに就職活動をすることを「オープン」と呼んでいます。
反対に障害を隠して就職活動をすることを「クローズ」と言います。
「クローズ」で社会復帰する場合、健常者と同じ舞台で戦います。
「賃金が比較的高く、求人数も多いメリットがあります」
しかし、障害を隠しておくため、病気についての理解は得られません。
長期的に考えると、病状が悪化する傾向が高いので、統合失調症の方の場合、障害者枠で「オープン」として、社会復帰を目指す方が確実。
僕は「オープン」で就職活動をして、後述する「就労移行支援A型」という制度を利用して社会復帰しました。
精神保健福祉手帳を申請すると、障害者枠での活動ができるようになり、相談や就職活動を実際に行えるようになるのでオススメ。
また、ハローワークに行くと、実際に社会復帰に向けたセミナーもあるので、合わせて参加されると◎
□社会復帰へ向けてジャンプ
就労移行支援の施設で社会復帰に向けた準備が整ったら、最終段階です。
「いよいよ就職に向けた活動に入りましょう」
ハローワークを利用し、自分にあった職場を探していくのです。
ウッチーの場合、障害者枠での一般企業への就労ではなく、就労継続支援A型という制度を利用して社会復帰しました。
この制度は、通常の就職が難しい障害者へ向けて、社会復帰のための就労場所を提供してくれるサービスです。
〇雇用契約を結ぶ「A型」
〇雇用契約を結ばない「B型」
この2つに分かれます。
「A型」で契約すると各都道県の最低賃金が保証されるので、実際に働いて賃金を得るという経験ができます。
これに対し「B型」は雇用契約を結ばないため、賃金は低く設定されています。
福祉的就労になるので、月の収入は1万円前後にしかなりません。
「A型」の場合、最低賃金が保証され、毎日4時間の勤務をするので、月に7万円程度の収入を得られます。
また、就労継続支援の他にも、特例子会社という「特例」の会社もあります。
日本では企業に対し、
「一定の割合で障害者を雇用しなければならないという法律があります」
この法律に基づき、障害を持った方に向けて就業場所の提供をしてくれる、
それが特例子会社の仕組みです。
僕の場合、就労継続支援A型の事業所を選び、社会復帰しました。
その理由は就業内容が、専門的で自分に合っていると思ったためです。
ここでウッチーは「WEBライティング」と出会います。
また、事業所によって就業内容はさまざまあります。
〇「パン作り」
〇「清掃」
〇「軽作業」
などです。
僕が選んだ会社では「WEBライティング」の仕事をしていました。
元々書くことが好きだったので「好き」を生かすために選んだのです。
そして、WEBライターという仕事を通し、無事社会復帰ができています。
特例子会社にせよ、就労継続支援を利用するにせよ、統合失調症の方に勧めたいのは、障害を隠さずに「オープン」に社会復帰を目指すこと。
「障害があると恥ずかしい」
「下に見られるのではないか?」
このように、色々な悩みがあると思います。
しかし、安定した就労をし、生活をしてくのであれば、障害は決して害にはなりません。
多く方が障害を隠さずに社会復帰しているのです。
安心して障害をオープンにして社会復帰に向けた最終ステップを踏みましょう。
□数多くある継続支援事業はどこを選ぶと良いのか?
福祉サービスの拡大により、障害者へ向けた就労の機会は広がっています。
しかし、就労継続支援の事業者はいたるところにあるので、
「実際にどんなことをしている事業所なのか?」
見学してみないと分からないことが多いです。
僕の経験では、何社か興味ある事業を展開している場所をピックアップして、実習と言う形で就業してみるという方法を取ると、長く1つの仕事を続けていけると思います。
〇実習は主に1週間から2週間行います。
いきなり事業所を選びそこで契約してから、ミスマッチが起こると、最初から事業所を探し直しになるので、実習を受けることをおすすめします。
実習を通し、
「実際にその事業所でどんな作業をするのか?」
「利用者にはどんな人がいるのか?」
「スタッフの対応」
これらを見ることができます。
自分に合っていると思った場所でも、実際に働いてみると、少し違っていたと感じる場合もあります。
反対に少し苦手かなと思っていても、やってみたら意外と合っているというケースもあるのです。
よって、まずは実習を受けてみて、事業所を選ぶようにしましょう。
僕が所属していた事業所でも、契約前に2週間の実習をしていました。
そして、自分の適性を判断し、利用が決まります。
利用が決まれば雇用契約を結ぶので、最低賃金が保証されます。
実際に働くので、社会復帰のゴールとして見られますが、この就労継続支援A型から、さらにステップアップし、一般企業へ就職される方も多くいらっしゃいます。
□統合失調症の当事者が語る、社会復帰へのまとめ
病気を患った時僕は、
「この世の終わりだ」
こんな風に絶望しました。
健常者として生きた日々が終わり、これからは絶望の中、暮らししていかなければならないのだと悲観していたのです。
病気になり、思考力や集中力が落ち、今までできたことがほとんどできなくなり、本当に焦りました。
焦りましたが、実際に何をしていいのか分からなったのは事実。
統合失調症の方が社会復帰を目指すためには、長い療養を終え、生活リズムが整うことが最大の条件です。
「一朝一夕には社会復帰は難しい」
つまり、少しずつ薄紙をはがすくらいゆっくりのペースで、社会復帰を目指すといいでしょう。
僕の経験上、焦っても良いことはありません。
僕は、実際に病気になって働いていないという焦りから、就職活動を始めてしまい、ある工場へ就職しましたが、1カ月と続けられませんでした。
そうなると、自分に対して絶望しますし、就労への気持ちがくじけてしまいます。
よって、
「自分にできる範囲の行動から始めよう」
最初は自宅以外の自分の居場所を探し、その後、デイケアという医療サービスを利用されると効果的。
デイケアでの治療を通し、ある程度生活リズムが整ってくると、次なるステップへ進めます。
〇就労移行支援
〇就労継続支援
〇一般企業に向けた就労
社会復帰に向けて少しずつステップアップしていきましょう。
社会復帰までは年単位かかりますが、それでもしっかりとできることから始めていくと、最終的には早道になるでしょう。
本記事を読んだ統合失調症の患者さん、または関係者は焦らずに、着実に行動するようにしましょう。
「ホップ・ステップ・ジャンプ」のプロセスを踏めば、必ず社会復帰はできます。
この記事を読んだら、まずは自分にできる範囲のことから始めましょう。
それが社会復帰へ向けた第一歩です。
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