こんにちは、ウッチーです。
「統合失調症だけど、漢方薬を使ってみたい」
と、こんな風に考える方もいるでしょう。
結論からお話しすると、
「統合失調症は漢方薬だけでは治療できない」
というのが、現状のようです。
しかし、漢方をはじめとする東洋医学も、徐々に精神疾患に対応していきます。
そこで今回は、ウッチーが統合失調症と漢方の関係をリサーチ。
この記事が、統合失調症だけど漢方薬を使ってみたい方の参考になれば幸いです。
□統合失調症に漢方薬は効く?
既に紹介してありますが、現在の漢方薬だけでは統合失調症は治療できません。
ですから、素直に抗精神病薬を飲む必要があります。
しかし、
「抗精神病薬は副作用が酷いから嫌だ!」
と、考える方が多いのも事実。
ウッチーも一時期は副作用が酷くて、薬を止めたくなりました。
それでも、現代の医学では、漢方薬では統合失調症が治せないというのが定説。
しかし、こんな論文がありましたので紹介します。
質の高い資料提供をしている「コクラン」というサイトでは、統合失調症における漢方薬の有効性を次のように定義しています。
『中医学(TCM)は、2000年以上にわたって統合失調症などの精神疾患の治療に利用されてきた。
中国薬草も西洋における生物医学的治療という形で使用された場合、抗精神病作用を有する可能性がある。
漢方薬は西洋における生物医学的治療という形で使用された場合、抗精神病薬と併用すれば統合失調症に有効な可能性がある。
中医学(TCM)に関しても目下評価中であるが、TCMの評価を試みた1件の先駆的研究の結果からは、今後の研究が期待される』
引用元:コクラン
この論文を見る限り、統合失調症になっても、ある程度漢方薬が効く可能性があることがわかります。
但し、
「抗精神病薬と併用」
というところが肝です。
どうやら、漢方薬単体では、統合失調症の治療は期待できないようです。
それでも、併用すればある程度の効果があるのでは? と解説しています。
今後の漢方薬の働きに期待したいところです。
□統合失調症の治療に使われる漢方薬は何?
ここまで述べてきたとおり、漢方薬単体では、統合失調症の治療はできません。
これは、仕方がないようです。
根本的に統合失調症を治療するためには、やはり「抗精神病薬」を使う必要があります。
ただ、抗精神病薬と漢方を併用すると、確かな効果があったという実験もあります。
そこで、この項目では、統合失調症の治療に使われる漢方薬をご紹介。
補中益気湯(ホチュウエッキトウ)
この漢方薬は、主に胃腸の調子を整え元気を補う薬です。
「気」が不足した「気虚」に用いられます。
特に統合失調症の無気力状態である陰性症状の時に有用だと考えられています。
十全大補湯(ジュウゼンタイホトウ)
この漢方薬は、疲労・衰弱した方の気力や体力を補います。
疲労が酷い時、倦怠感がある時に有用な漢方薬です。
統合失調症では、陽性症状により、体力や気力が一気に低下します。
そんな時には、この漢方薬を併用すると効果がありそうです。
大柴胡湯(ダイサイコトウ)
便秘やわき腹からみぞおちの間にかけて苦しい時に処方される漢方薬。
興奮を抑える作用があるため、統合失調症にも効果があると言われています。
黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)
主にイライラを抱える人に効く漢方薬です。
精神症状に対しても効果があると言われ、ストレスのかかわりが大きい動悸などにも効果があります。
三黄瀉心湯(サンオウシャシントウ)
過剰な高ぶりを抑える漢方薬です。
精神不安を抑える効果があるとされ、統合失調症の抗精神病薬と併用される場合もあります。
柴胡加竜骨牡蛎湯(サイコカリュウコツボレイトウ)
神経質で精神的に不安定な人に処方される漢方薬です。
抑うつ、不安、イライラ、不眠などに効果があります。
精神的な不調を改善するので、統合失調症の抗精神病薬と併用すると効果があるでしょう。
甘麦大棗湯(カンバクタイソウトウ)
心身の興奮を鎮めて、不安定な状態を改善させる漢方薬です。
精神を安定させる役割もあるので、「心」の失調状態には有効。
抑肝散(ヨクカンサン)
「肝」の高ぶりを抑える役割があります。
特に「肝」が高ぶると、怒りやイライラが発生しやすくなるのです。
大人の神経症状を改善するために使われます。
抑肝散加陳皮半夏(ヨクカンサンカチンピハンゲ)
抑肝散と同じような効果があります。
ただ、この漢方は体力が低下し胃腸が弱くなっている人に有効です。
神経症、不眠などの効果があります。
以上のような漢方薬が、補助的な役割で使わるケースがあります。
繰り返し言いたいのは、
「漢方薬単体では統合失調症の治療はできない」
ということです。
しかし、抗精神病薬と漢方薬を併用すれば、相乗効果で効果がある場合もあります。
漢方が気になるのであれば、医師に相談するといいでしょう。
□ウッチーは漢方薬を使ったことがあるの?
ウッチーは現在「シクレスト」という統合失調症のお薬を服薬しています。
「シクレスト」に関しては、コチラの記事でも少し紹介しています。
また、いずれ一つの記事にしてまとめる予定なので、そちらを参考にしてみて下さい。
そして、シクレストを飲んでいる時に、ある副作用が出ました。
それが、「頻尿・のどの渇き」という副作用です。
これは、そんなに多い副作用ではないのですが、シクレストの副作用として発生する場合があるようです。
その症状が出た時、僕は迷わず医師に相談しました。
医師と何でも相談できる関係作りも、統合失調症の治療には大切です。
そして、その時処方された薬が漢方薬でした。
ウッチーの担当医師は漢方薬にも知識があり、統合失調症の補助薬として、時折漢方薬を処方してくれるのです。
その時使っていた薬が、「白虎加人参湯(ビャッコカニンジントウ)」という漢方薬。
この漢方薬は、のどの渇きやほてりを鎮めてくれます。
速攻で効果があったわけではありませんが、確かに喉の渇きがなくなったような感じがしました。
その内、副作用がなくなったので、この漢方薬は飲まなくなりましたが、統合失調症の補助薬として漢方を使う場合もあるのです。
以上の経験から、ウッチーは、メインは抗精神病薬を使い、補助薬として漢方薬を使う選択肢もアリだと感じています。
□漢方薬はどんな人に向いている?
精神疾患の治療に「漢方薬」を使うことが注目されています。
一般的な抗精神病薬の場合、副作用が出る場合がありますよね?
これは、苦痛の症状なので、副作用により薬を飲まなくなる患者もいるくらいです。
そんな時に、漢方薬は別の治療法として期待されています。
コクランに掲載された論文でも明らかなように、統合失調症の補助的な薬として漢方薬は注目を集めているのです。
ただし、ここで注意したいには、漢方薬だけでは精神疾患の治療はできないということです。
漢方薬はあくまでも補助的な役割であり、メインの薬にはなりません。
この点には注意しておきましょう。
それを踏まえて、どんな方に漢方薬が向いているか、ウッチーなりの解説をしていきます。
漢方医学は、基本的に患者さんの体格や体質、心の状態を考えた「証(しょう)」という考え方を基盤にしています。
大まかに言えば、患者さんの体力の強弱で、処方する漢方薬を決めます。
例えば、体力のある人は「実証」
体力の弱い人は「虚証」といいます。
またこの中間の「中間証」というタイプもあります。
つまり、漢方薬はどんな方にもバッチリ合った薬が処方できるのです。
自分の体格や体力に合わせて漢方薬を処方してもらえます。
この場合、専門の漢方医に相談するといいでしょう。
自分の病気を説明したうえで、補助的に漢方を利用したいと告げれば、ピッタリの薬を処方してくれるはず。
もちろん、担当医師に相談するものありです。
医師と二人三脚で治療を進めるのが統合失調症の回復の基本ですから。
□漢方薬は補助的な役割!この点をしっかり自覚しよう
今回は、精神疾患の治療における「漢方薬」の有効性を解説してきました。
地域精神保健福祉機構 COMHBOでは、精神科で漢方薬が広がっているとしています。
『最近になって、漢方薬が比較的よく精神科でも使われるようになりました。
特に、高齢者の認知症でみられる、軽い幻覚や妄想、興奮、怒りっぽいといった症状に対して、抑肝散という薬の効果がしっかりした研究で認められました。
西洋医学を補うように、漢方薬を有効利用することで、精神科での薬物治療の幅が広がってくると考えられています』
参考ホームページ:地域精神保健福祉機構 COMHBO
このように、少しずつ精神科でも漢方薬が使われ始めました。
但し、注意したいのは、
「漢方薬単体では、統合失調症の治療はできない」
ということです。
統合失調症のメインの薬は、やはり抗精神病薬になります。
この点をしっかりと押さえておきましょう。
その上で、補助的な役割として漢方薬を使ってみる。
このようにして、両者をしっかり分けて考えれば、効果的な治療ができるはず。
本記事が、統合失調症だけど、漢方薬による治療をしてみたいと考える方の参考になれば幸いです。
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