こんにちは、ウッチーです。
「精神科の閉鎖病棟ってどんなところなの?」
と、こんな風な疑問を覚える方が多いようです。
結論からお話しすると、
「閉鎖病棟は決して暗い場所ではなく、意外と普通」
ということです。
この記事を書いているウッチーは、過去、統合失調症で閉鎖病棟に入院していました。
始めは、
「閉鎖病棟に入れられるから、きっと縛られて酷い目にあう!」
そんな風に思っていましたが、実際はそんなことはありませんでした。
今回は「閉鎖病棟」にスポットを当て、ウッチーが色々お話しします。
また、入院に関する情報も同時にお届けするので、何かの役に立つはずです。
この記事が、「閉鎖病棟」に関して調べている方の参考になれば幸いです。
□そもそも閉鎖病棟ってなに?
閉鎖病棟というと、皆さんはどんなイメージを持つでしょうか?
「閉じ込められるようで怖い」
「身体を拘束される」
「とにかく自由がない」
このようなイメージを持つかもしれません。
そこで、まずは閉鎖病棟がどんなところなのか、確認していきましょう。
閉鎖病棟とは、精神科のある病院で、病棟の入り口が常時施錠されている病棟を指します。
ですから、そこに入院すると、自由に病院の外に出られないのです。
また、面会者も自由に出入りできないので、何かと不便を感じます。
病棟の鍵は、病院の職員が管理しており、お願いしないと鍵を開けてくれないのです。
ですから、イメージ通り、
「自由が少ない!」
これは合っているかもしれません。
しかしながら、病棟の中が薄暗く、閉じ込められるというと、そうではありません。
ウッチーは過去、閉鎖病棟に3カ月入院しました。
その時入院した病棟は、確かに自由に出入りできませんが、病棟の中は自由で、かなりキレイだったのです。
食堂を始め、大きなテレビがあるロビーがあり、また談話室もあります。
新聞なども自由に読めるので、何というか、ホテルに来た感じでした。
ですから、
「閉じ込められる」
「自由がない」
とは、一概には言えないのです。
□精神科の入院形態を確認しよう
精神科の病院にする時、実は、形態があることを知っているでしょうか?
次のような入院形態があります。
- 任意入院
- 医療保護入院
- 措置入院
この3つの形態があります。
1つずつ見ていきましょう。
任意入院
任意入院とは、患者さん本人の同意に基づいて行われる入院です。
ですので、自分の意思で入退院ができます。
基本的に、任意入院の場合、病院側は入院患者の行動を制限できません。
場合によっては、制限される場合があるのですが、この制限も精神保健指定医の診察により72時間以内と決まっているのです。
医療保護入院
医療保護入院とは、本来は入院望ましいのですが、患者本人が入院を望まない時に行われます。
精神科医療は、患者が納得しなくても、精神保健指定医の指示により、強制的に入院させることができるのです。
これは、精神保健福祉法第33条に規定されている入院形態です。
ちなみに、ウッチーはこの医療保護入院で入院しました、
入院する意思はなかったのですが、医師の指示で入院してくれと言われたので、強制的に入院した感じです。
措置入院
措置入院とは、精神障害のために、自分や他人を傷つける恐れがあると認められた時のみ、行われます。
医療及び保護のため、都道府県知事の指示により、2人の精神保健指定医の診察し、2人とも措置入院が必要であると判断すると、このような入院になります。
3つの入院形態の中で、もっと緊急性が高いのが、この措置入院です。
□閉鎖病棟が抱える不自由な点とは?
閉鎖病棟は、皆さんがイメージしているような、
「薄暗く、閉じ込められるような場所」
ではありません。
出入り口が施錠され、自由に病院の外には出られませんが、閉鎖病棟の中であれば自由に動けます。
毎日ではありませんが、お風呂もきちんと入れます。
トイレもキレイに掃除されているので、問題なく利用できるでしょう。
しかしながら、
「やはり完全な自由ではない」
と、ウッチーは感じていました。
ウッチーが不自由だなと感じたのは、次の点です。
- PCや携帯電話は持ち込めない
- 面会は家族のみ
- 売店にすら買い物に行けない
このような点が、不自由だなと感じました。
1つずつ見ていきましょう。
PCや携帯電話は持ち込めない
これは入院する病院によっても若干の差があるのですが、基本的に電子機器は、閉鎖病棟に持ち込めません。
PCはもちろんですが、携帯電話もダメなのです。
ウッチーが入院した病院は、電子機器の持ち込みはすべて不可でした。
持ち込もうとしても、閉鎖病棟に入る前に、持ち物チェックをされて、没収されてしまいます。
ただ、病院によっては医師がOKを出せば持ち込めるケースもあるようです。
それでも、基本は電子機器の持ち込みは不可なので、とても不便に感じました。
特に困ったのは、電子辞書がダメだった点です。
ウッチーはわからない単語があると、よく辞書を引くので、電子辞書を持っていました。
ただ、電子辞書が持ち込みダメと言われたので、仕方なくポケットサイズの国語辞典を用意して、それで代用していたのです。
面会は家族のみ
閉鎖病棟に入院した方のお見舞いができるのは、基本的に家族のみとなっています。
病院によっては、家族がOKすれば外部の人間も面会できるようですが、ウッチーの入院した病院は、家族以外の面会はできませんでした。
当時、ウッチーは洋服店で働いており、会社の方がお見舞いに来てくれたのですが、面会できずに、そのまま帰ってもらいました。
また、お菓子なども持ち込みもできません。
すべて、手荷物チェックで検査されて、不要なものは持ち込めないようになっているのです。
会社の方がお菓子を持ってきてくれたのですが、それも持ち込めず、家族に持って帰ってもらいました。
この点も、かなり不便だなと感じました。
売店にすら買い物に行けない
閉鎖病棟に入院すると、病棟内は自由に動けるのですが、外に出られません。
そのため、病棟の外にある売店には行けないのです。
売店に行くためには、看護師に頼んでOKを出してもらい、ごくわずかな時間のみ利用できるのです。
また、入院して最初の時期は不安定なので、申請を出しても通りません。
それ以上に、お金も厳しく管理されているので、自分の手元に置けるのは1,000円くらいなのです。
そのため、ウッチーは閉鎖病棟内にある自動販売機でジュースを買ってストレス発散していました。
「売店にも行けない」
「お金も厳しく管理される」
この点は非常に困りました。
□閉鎖病棟は実はそんなに閉鎖的な空間ではない
「自由は少ない」
閉鎖病棟に入院して、確かにウッチーはそんな風に感じました。
しかし、閉鎖病棟の中は、すごく開放的な世界が広がっていました。
既に少し紹介していますが、こんな設備があります
- 食堂
- ロビー
- 談話室
などです。
ウッチーが入院した閉鎖病棟は、食事の時間になると食堂やロビーに集まって、自由に食事ができました。
ウッチーはロビーのソファに座り、テレビを見ながら食事をしていましたよ。
また、談話室などもあり、家族が面会に来た時はよく利用していました。
無料でお茶が飲めるのが地味にありがたかった印象があります。
閉鎖病棟の外には出られませんが、病棟の中であれば自由に動けます。
ロビーで新聞を読んだり、テレビを見たりするのは自由です。
中には、病棟の中を歩き回って散歩している患者さんもいらっしゃいました。
毎日清掃員の方がキレイに掃除してくれるので、病棟は清潔ですし、慣れればそれほど居心地は悪くありません。
それ以外には、長期で入院する方が多いので、専門の美容師さんがやってきて、髪の毛も切ってもらえます。
ウッチーは坊主頭だったので、バリカンでキレイに刈ってもらっていました。
スッキリとしますし、身だしなみも整えられるので、いいサービスだと感じます。
□閉鎖病棟ではどんな治療をするの?
ウッチーは統合失調症で閉鎖病棟に入院しました。
ですから、基本的に服薬による治療が始まります。
入院した初期の頃は、統合失調症の症状が強く出ているので、かなり強い薬を処方されます。
また、鍵のかかった個室に移され、そこで過ごすのです。
最初は薬がかなり強いので、寝てばかりいました。
ですから、鍵のかかった個室に入れられても、そんなにビクビクはしなかったです。
治療が進むと、自由に病棟内を動けるようになります。
そして、そうなると閉鎖病棟でやっている、いろいろなカリキュラムに参加できます。
例えば、
- 心理教育
- 認知行動療法
- 絵画療法
などです。
つまり、服薬による治療と並行して、社会機能を取り戻すためのリハビリテーションが行われるのです。
もちろん、これは強制ではありません。
ウッチーは、最初は出たくなかったので、部屋で新聞を読んでいました。
ただ、回復するにつれて、リハビリテーションに興味が出てきたので、結構色んなカリキュラムを受けました。
認知行動療法などでは、集団で行うので、いろいろな方の悩みが共有できます。
服薬の治療と並行してリハビリテーションを行えば、回復も早くなるはずです。
□カラダを縛られるって聞いたけどホント?
「身体拘束は必要に応じて行われる」
実は、閉鎖病棟に入院する1割程度の患者さんが、非常に不安定であり、身体拘束を必要としています。
ですから、
「閉鎖病棟で身体拘束はある」
ということになります。
しかし、拘束というのは決して安易に行われるものではありません。
ご自身や他人を傷つける可能性がある患者さんに対し、必要な時期だけ行う医療処置です。
そして、精神保健指定医の指示が必要。
つまり、余程のことがないと拘束されません。
ウッチーは入院した当初は、幻聴や妄想が酷かったのですが、鍵付きの個室に移されたのもの、拘束はされませんでした。
また、拘束されても身体面の管理はしっかりされます。
例えば
- 食事
- 排泄
- 下肢のうっ血予防
などです。
拘束されると、深部静脈血栓による肺塞栓症が出る場合があります。
そして、これを防ぐために、弾性ストッキングで下肢の鬱血を予防するのです。
また、それ以外には、神経障害や循環障害のリスクを考慮してマッサージや導尿を行うケースもあります。
ですから、拘束されるからひどい目にあうというのは、結構偏見が多いです。
看護師さんも、身体拘束は最後の手段と考えています。
そのため、家族にもしっかり説明をしますし、患者さんの心身を守るために、細心の注意を払って行っているのです。
もちろん、拘束される本人は一番辛いでしょう。
しかし、症状が落ち着くまでの一時期のみの処置です。
ずっと続くわけではないので、この点は安心してください。
□閉鎖病棟に入院すると入院費はどのくらいかかるの?
入院費も当事者や家族が気になるポイントだと思います。
ただ、入院費に関しては、実際に入院する病院によって大きく違います。
そこで、ウッチーが入院した病院を例に出しながら、おおよその費用を解説します。
入院の場合、自立支援医療制度が使えません。
自立支援医療制度に関しては、コチラの記事で詳しく解説しています↓
ですので、基本的に3割負担の医療費がかかります。
詳しくまとめるとこんな感じです。
| 医療費(3割負担) | 1カ月:40,000~100,000円前後 |
| 食事負担 | 1日:約460円 |
| 病室が個室の場合 | 1日:約5,000円 |
| 病室が大部屋の場合 | 1日:約1,000円 |
このような費用がかかってきます。
病院にもよりますが、大体1カ月で20万円前後かかる計算です。
ですので、結構な費用がかかってしまいます。
そんな時は、医療費の負担を軽減する公的な制度を利用しましょう。
それが、
- 高額療養費
- 医療費控除
この2つです。
どちらも自己負担した医療費の一部が戻ってくる制度になります。
ただ、二つは中身が全然違います。
- 高額医療費は健康保険の制度
- 医療費控除は所得税の制度
このようになっています
高額医療費とは
高額療養費は診療を受けた月1カ月ごとに自己負担の限度額を定めたものです。
そのため、自己負担が多かった月があれば、その翌月に申請しましょう。
そうすると、3~4か月後には限度額を超えた金額が戻ってきます。
詳しくはコチラのサイトを参考にしてください↓
医療費控除とは
医療費控除は医療費の自己負担が一定額を超えたときに、所得税の計算上で所得控除を受けられるものです。
ですので、所得税が低くなるしくみであり、必ずしも医療費の一部の金額が戻ってくるわけではないのです。
さらに。所得税の確定申告で申告するため、計算は1年に1回行うので注意、
基本的に、1月1日から12月31日までにかかった医療費をまとめます。
そして、それを、翌年の2月~3月の確定申告期間に申告することで、医療費の一部が戻ってきます。
詳しくはコチラのサイトを参考にしてください↓
□閉鎖病棟は怖くない! 安心して入院しよう
今回は閉鎖病棟に入院した経験のあるウッチーが「閉鎖病棟」について語りました。
閉鎖病棟は、どうしても名前の印象から、
「薄暗い場所」
「閉じ込められる」
「自由がない」
など、このように思われています。
しかし、ウッチーは実際に閉鎖病棟に入院しましたが、そこまで居心地の悪さは感じませんでした。
確かに自由は少ないです。
それでも閉鎖病棟内は清潔ですし、ロビーにはテレビもあります。
また新聞や本なども、ある程度自由に読めるようになっているのです。
ウッチーの場合、最初の数週間は鍵のかかる個室で、閉じこもり状態になりました。
しかし、それはずっと続くわけではありません。
さらに、身体拘束に関しても、必要な患者に必要な時間だけ行われる限定的なものです。
「むやみに縛られ人権も何もなくなる」
閉鎖病棟は、こんな環境ではありません。
ですので、安心して入院治療を進めましょう。
本記事では、主に「閉鎖病棟」にスポットを当て、色々な情報を紹介しました。
実際に閉鎖病棟に入院してきたウッチーが、説明してきたので、きっと何かのヒントになるはずです。
繰り返しになりますが、
「閉鎖病棟はそれほど怖い場所ではない」
これに尽きます。
イメージが悪くなっていますが、安心して治療できる環境が整っています。
例え入院したとしても、必ずよくなって退院できるので、
「心をしばらく休めるんだ」
と、前向きに考えましょう。
この記事が、閉鎖病棟に関して調べている方の参考になれば幸いです。



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