こんにちは、ウッチーです。
「統合失調症になったら、自分と他人の境界があいまいになった気がするんだけど」
と、こんな悩みを抱える当事者も少なからずいらっしゃいます。
結論からお話しすると――。
「自分と他人の境界があいまいになる状態は【自我障害】と言います」
これは、統合失調症の症状の1つなのです。
今回は、統合失調症の症状の1つである「自我障害」についてウッチーなりの見解をお話しします。
コンパクトにわかりやすくまとめたので、確認していきましょう。
この記事が、統合失調症の症状の1つである「自我障害」で調べている方の参考になれば幸いです。
本記事は次のような方にオススメ
- 統合失調症の症状の1つである「自我障害」を調べている方
- 統合失調症の陽性症状で苦しんでいる当事者の家族
□まずは確認! 統合失調症の「自我障害」ってどんな状態?
統合失調症には、「陽性症状」という症状が強く出る時期があります。
これは、「幻覚」「妄想」などに苦しむ時期です。
しかし、そんな「幻覚」「妄想」以外にも、「自我障害」と言う状態が出るケースがあります。
まずは、この「自我障害」とは、どんなものなのか見ていきましょう。
自我障害とは?
みなさんは、「自我」という言葉の意味を知っているでしょうか?
少し哲学的な言葉ですが、簡単に言うと――。
「自分自身のこと」
になります。
当然だと思うのですが、私たちは、自分自身を「自分である」と認識することができます。
そして、この認識のことを――。
「自我認識」
と、呼んでいます。
また、自分自身ではない「他人」はどうでしょうか?
もちろん、私たちは、他人と言う人間も同時に認識しています。
そして、この自分と他人のへだてる境界のことを――。
「自我境界」
と、呼んでいるのです。
私たちは、当然この「自我境界」をはっきり区別しています。
ですが、統合失調症になると、この自我境界があいまいになってしまうのです。
その自我境界があいまいになり、自我意識さえも失われた状態を――。
「自我障害」
と、呼んでいるのです。
そして、この自我障害には、主に3つのパターンがあります。
それは――。
- 自分で考えている認識が崩れた状態
- 自分の考えが他人に知れ渡ってしまうと錯覚する状態
- 自分の中に他人の考えが入ってくると思い込む状態
この3つです。
次項以降、この3つ状態を1つずつ解説していきます。
□自我障害の3つのパターン① 自分で考えるという認識が崩れる
統合失調症になると、自分で行動しているはずなのに、どういうわけか、他人に操られているような感覚になるケースがあります。
これは主に――。
「作為体験(さくいたいけん)」
と、呼んでいます。
これは、自分が何者かに操られていると錯覚する状態で、統合失調症の症状の1つです。
まさに、「自分の意思で行動している」という、自我意識が障害されている状態と言えるでしょう。
作為体験には、次のような状態があります。
- 「~しろ」「~するな」と幻聴で命令口調で支配されて行動する状態
- 幻聴などはないが、カラダが勝手に動いてしまう状態
このような状態があります。
例えば、幻聴に「あいつを刺せ!」と命令されると、それに従って、自分や他人を傷つけてしまうケースがあるのです。
ただ、これは、それほど多い状態ではありません。
事件になるような、重篤な状態になるのはかなり稀なので、あまり過度に心配する必要はないでしょう。
ですが、このような「作為体験」という状態があることを、覚えておいてください。
□自我障害の3つのパターン② 自分の考えが周囲に漏れると錯覚する
自我障害が発生すると、自分の考えが他人に知れ渡ってしまうと錯覚するケースがあります。

ウッチーも、自分の考えが隣人に伝わっているのかもしれないと怖くなり、なるべく人に関わらないようにした時期がありました。
この自分の考えが他人に知れ渡ってしまう状態は、主に3つの症状があります。
それは――。
- 思考伝播(しこうでんぱ)
- 自我漏洩症状(じがろうえいしょうじょう)
- 思考奪取(しこうだっしゅ)
この3つです。
1つずつ見ていきましょう。
思考伝播(しこうでんぱ)とは?
思考伝播は、統合失調症になるとよく現れます。
これは、自分の考えていることが世間に広まってしまうと感じる症状です。
自我漏洩症状(じがろうえいしょうじょう)とは?
続けて、自我漏洩症状という症状もあります。
これは、自分の秘密や考えが外にもれていると感じる症状です。
思考奪取(しこうだっしゅ)とは?
また、思考奪取という症状もあります。
これは、自分の考えが他人に奪われていると感じる症状です。
このような状態があります。
自分の考えが相手に伝わってしまうと錯覚するので、当事者は、プライバシーがなくなったと、ショックを受けてしまうのです。
□自我障害の3つのパターン③ 他人の考えが自分の中に入ってくる
最後の紹介するのは、他人の考えが自分の中に入ってくると言う状態です。
この状態は、主に4つに分類ができます。
それは――。
- 思考吹入(しこうすいにゅう)
- 思考干渉(しこうかんしょう)
- 自生思考(じせいしこう)
- 侵入症状(しんにゅうしょうじょう)
この4つです。
1つずつ見ていきましょう。
思考吹入(しこうすいにゅう)とは?
自分の考えがもれてしまうと錯覚する状態の逆で、他人の考えが勝手に吹き込まれるような感覚を覚えるケースがあります。
これを――。
「思考吹入(しこうすいにゅう)」
と、呼んでいます。
思考干渉(しこうかんしょう)とは?
続けて、思考干渉と言う状態を見ていきましょう。
これは、自分の考えが他人に干渉されていると錯覚する状態です。
自生思考(じせいしこう)とは?
さらに、自生思考と言う状態もあります。
これは、自分の意思とは関係なく、考えていることが頭に勝手に浮かんでくる状態です。
侵入症状(しんにゅうしょうじょう)とは?
最後は、侵入症状と言う状態です。
これは、他人の考えが、勝手に自分の頭の中に侵入していると感じる状態です。
このように、他人の考えが自分に中に流れこんでくると錯覚するような状態もあります。
当事者の苦しみを理解するために、しっかり症状を把握しましょう。
□ウッチーは「自我障害」という障害はあったの?
「陽性症状」がひどくなると、「自我障害」が出やすくなります。

しかし、ウッチーの経験上、これはそんなに多く出るような症状ではないと感じます。
統合失調症の陽性症状は、主に「幻覚」「妄想」がメインです。
ですので、自我まで侵されてしまうケースは少ないように感じました。
事実、ウッチーは作為体験や、他人の考えが自分の中に入ってくるという経験は、あまりしていません。
若干ではありますが、自分の考えが他人にもれていて、プライバシーが侵されていると悲しくなったくらいです。
ですから、あまり過度に心配する必要はないでしょう。
また、この自我障害の症状は、お薬を服薬するとよくなります。
個人差がありますが、大体1ヶ月くらいで効いてきて、不快な症状はなくなるでしょう。
ウッチーもお薬を服薬してから、このような症状は消えていきました。
よって、まずはしっかり服薬をして、症状を抑えて気分を安定させるようにするといいでしょう。
□理解されにくい「自我障害」を把握して当事者を支えよう
今回は、統合失調症の症状1つである「自我障害」についてまとめました。
この症状は、主に統合失調症の「陽性症状」の時に発生します。
なかなか理解されにくい障害ですが、当事者は苦しんでいるのです。
家族の方には、その苦しみをわかってあげてほしいと思います。
最後に、まとめとして本記事で紹介した内容を振り返っていきましょう。
- 統合失調症の「自我障害」ってどんな状態?
- 自我障害の3つのパターン① 自分で考えるという認識が崩れる
- 自我障害の3つのパターン② 自分の考えが周囲に漏れると錯覚する
- 自我障害の3つのパターン③ 他人の考えが自分の中に入ってくる
- ウッチーは「自我障害」という障害はあったの?
以上5つの内容でお届けしました。

ウッチーも少しだけですが、この障害が出て苦しんだ過去があります。
ですので、この障害で苦しむ方の気持ちはよくわかるのです。
なるべくわかりやすくまとめたので、ぜひ、熟読してみてください。
きっと、治療のための何かのヒントになるはず!
この記事が、統合失調症の症状の1つである「自我障害」について調べている方の参考になれば幸いです。


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