統合失調症の治療には、薬物療法やカウンセリング、認知行動療法などがありますが、それだけでは届かない「心の奥の部分」があると感じたことはありませんか?
僕は、そんな時に出会った絵画療法(アートセラピー)によって、救われるような経験をしました。
今回は、当事者としての視点から、絵を描くことでどう感情が整理され、どんな癒しが生まれたのかをお話ししたいと思います。
絵画療法との出会い
最初は「お絵かき」に抵抗があった
はじめてアートセラピーを紹介されたとき、正直「自分に向いているのか分からない」と思いました。
病気の症状で心も体も疲れていて、「絵を描くなんて余裕はない」と感じていました。
けれど、決まったテーマもルールもなく、ただ“自由に描いてみていい”という言葉に少し安心したのを覚えています。
筆を取ることで心がほどけた
実際に紙の上に色をのせていくうちに、だんだんと緊張がほぐれていきました。
言葉にできないモヤモヤを、絵の中に「出す」ことで、自分でも気づかなかった感情に触れた気がしました。
絵を描くことは、“症状を説明すること”ではなく、“心を感じること”だったのです。
絵画療法がもたらした心の変化
感情に「出口」ができた
統合失調症の症状のひとつに、「感情の平板化」や「気持ちを表現しづらくなる」ことがあります。
僕もそうでした。でも、絵の中では、怒りも悲しみも喜びも、色や形として表すことができました。
まるで、心の中の圧力を少しずつ抜いていくような感覚でした。
描いた絵が自分を客観視する手がかりに
完成した絵を見返すと、「あのとき、こんな気持ちだったんだ」と気づくことがあります。
自分でも気づかない感情が、色や構図に表れていることに驚くこともあります。
絵は“自分のこころの鏡”のような存在になりました。
アートセラピーの価値は「上手さ」ではない
うまく描く必要はまったくない
絵画療法というと「絵が苦手だから無理」と思う方もいるかもしれませんが、アートセラピーに“技術”は求められません。
大切なのは、「自分の心に耳を傾けて、そのまま表現すること」です。
丸でも線でも、塗りつぶしでも、意味のない色でも、それが“今の自分”を映す大事なかけらになります。
正解がないからこそ、自由になれる
日常生活では「正しい答え」や「空気を読むこと」が求められがちですが、絵の中ではそれが必要ありません。
“何を描いてもいい”“誰にも見せなくていい”という自由さが、心をほっとさせてくれました。
創作活動とリカバリーの関係
表現することで「自分らしさ」が戻ってきた
絵を描くことで、病気に奪われた「自分らしさ」を少しずつ取り戻せた気がします。
誰かに認められなくても、自分が「いいな」と思える色を使うことが、自己肯定感につながりました。
創作は、再び自分を“感じる”ための手段だったのかもしれません。
アートが「社会とのつながり」になることも
絵を描いたことがきっかけで、展示やSNSでの発信、誰かとの会話のきっかけにもなりました。
「何もできない自分」ではなく、「何かを表現できる自分」として人とつながれることが、回復の過程においてとても大きな意味を持ったのです。
【まとめ】言葉にならない心を描く|絵画療法はもう一つの「治療」
アートセラピーは、薬のように数値で効果を測れるものではありません。
でも確かに、“心がふっと軽くなる瞬間”を、僕は絵の中で感じました。
- 絵画療法は「感じること」を取り戻す時間
- 感情の出口として機能し、自分を見つめる手がかりになる
- 技術や結果ではなく、「表現そのもの」が意味を持つ
もし今、言葉にならない苦しさや不安を抱えているなら、ぜひ一度、絵を描いてみてほしいと思います。
それはきっと、「治す」のではなく、「寄り添う」ための手段になるかもしれません。
▶ 動画はこちらからご覧いただけます
🎨 実際に僕が絵を描きながら感じたこと、心の動きを率直に語っています。
アートと心のケアに興味のある方、ぜひご覧ください。
芸術療法についてはこちらの記事でも詳しく解説しています⬇️




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