統合失調症の入院生活とは?閉鎖病棟での過ごし方とリアルな体験談

家族に知ってもらいたいこと

精神科への入院と聞くと、「自由がない」「閉じ込められるだけ」というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。

私自身も、統合失調症で初めて入院する前は大きな不安を抱えていました。

しかし実際に経験してみると、病棟内には作業療法やミーティングなどの回復プログラムがあり、ただ隔離されるだけではないことを知りました。

この記事では、統合失調症の当事者として体験した入院生活についてお話しします。

統合失調症で入院する理由と期間

なぜ入院が必要になるのか

統合失調症の症状が強く出てしまい、自宅や地域生活での安全が確保できないとき、入院が選択されることがあります。

幻聴や妄想が悪化して自分や周囲を危険にさらす可能性がある場合や、服薬を続けられず症状が急激に悪化した場合などが典型例です。

今の統合失調症はあまり症状が重くならないケースが多くなっているみたいですので、必ず入院しなければならないわけではありません。ただ症状が強く出たり、医師が入院が必要だと判断した場合は、入院するケースもあるので、覚えておくといいでしょう。

入院は短期が主流になっている

以前は長期入院が一般的でしたが、現在は2〜3か月程度の比較的短期入院が中心です。

その間に薬の調整や生活リズムの安定を図り、退院後は外来や地域支援につなげていく流れが一般的になっています。

一年以上の長期間入院する患者さんは、比較的少なくなってきました。それでもいることはいるのですが、私の入院した病院では、多くの場合で 2〜3ヶ月で退院する流れが主流だったので、長期入院している患者さんは少数だったと思います。

入院生活の1日の流れ

閉鎖病棟での暮らし

精神科の入院は、閉鎖病棟で行われることが多いです。

閉鎖といっても、病棟内を歩いたり、共有スペースで過ごしたりする自由はあります。

病院によっては売店を利用できたり、決められた時間に外庭へ出られることもあります。

私のいた閉鎖病棟は売店に行くこともできたのですが、お金を厳しく管理されるので、そんなに物を買えません。ですから私の場合あまり売店には行きませんでした。唯一、病棟の中にある自動販売機でコーラを買って飲むのが密かな楽しみだったのです。

規則正しい生活リズム

起床・食事・服薬・消灯など、基本的には病院のスケジュールに沿って生活します。

当事者としては「縛られている」と感じる部分もありますが、生活リズムが自然に整うという大きなメリットもありました。

入院中は基本的に朝早いです。私の場合、朝6時には起きていました。その代わり夜は10時には消灯になるので、早寝早起きが強制的にできるのです。この規則正しいリズムは、退院後も活きてくるので非常にありがたいと感じました。

治療プログラムとリハビリ

作業療法(OT)の取り組み

作業療法(Occupational Therapy, OT)は、入院中の大きなプログラムの一つです。

編み物や絵画、軽い運動などを通して、集中力や達成感を取り戻すきっかけになります。

私は絵を描く時間を通じて、少しずつ気持ちが落ち着いていくのを実感しました。

入院中の作業療法はいろいろありますが、私は絵を描くリハビリが好きでした。画用紙などに絵を描いて色鉛筆で色を塗る単純な作業ですが、没頭できるのでストレス発散になります。特に閉鎖病棟はできることが限られるため、このような作業療法は良いリフレッシュになるでしょう。

患者同士のミーティング

病棟内では、患者同士が集まって話し合う「ミーティング」の時間もあります。

お互いの体験や工夫を共有することで、「自分だけじゃない」と感じられる安心感がありました。

孤独感を和らげ、退院後の生活を考えるヒントにもなります。

閉鎖病棟は基本的に精神疾患の方が多いですから、そのような人たちと触れ合う中で、悩みの共有などができるでしょう。私も数名と仲良くなり、談話室で一緒に話したり、ロビーで食事を一緒に食べたりしました。

入院生活で感じたこと

想像よりも「苦しくない」

正直に言えば、入院前は「閉鎖病棟=つらい場所」というイメージしかありませんでした。

でも実際は、病棟内にも活動の自由があり、作業療法や会話を通して回復のきっかけがたくさんあると気づきました。

閉鎖病棟は言葉の響きは悪いのですが、病棟内は至って普通です。鉄格子の部屋ではなく、一般的な病室ですし、ロビーや談話室などがあり、もちろんテレビもあります。電子機器は持ち込みできないケースが多いですが、テレビや新聞などはあるので、それほど不便を感じないでしょう。

安心して休める場所

入院生活を振り返ると、一番ありがたかったのは「安心して休めること」でした。

社会生活から一時的に離れ、医療スタッフに見守られながら、心身を回復させられるのは大きな意味があったと思います。

私は 3ヶ月入院しましたが、今考えてみると、ちょうど良い長さだったと感じます。今の入院治療は長期間になるよりも比較的短期で退院させるプログラムが立てられるので、そんなに心配する必要はありません。。

【まとめ】入院は「閉じ込められる」場所ではなく「整える」場所

統合失調症の入院生活は、世間でイメージされるような「閉じ込められるだけの場所」ではありません。

現代の入院治療は比較的短期間で、作業療法や患者同士の交流を通じて、回復を支える環境が整えられています。

  • 入院は症状が強いときに安全を確保する手段
  • 入院期間は2〜3か月が主流
  • 閉鎖病棟でも生活の自由や活動の機会はある
  • 作業療法やミーティングで回復を支援
  • 入院は「苦しい場」ではなく「安心して休める場」

もしこれから入院する可能性がある方がいたら、必要以上に怖がることはありません。

むしろ「回復のために一度立ち止まる場所」として捉えてほしいと思います。

▶ 動画はこちらからご覧いただけます

🏥 統合失調症の入院生活について、当事者として体験したリアルをお話ししました。

入院への不安を抱えている方、精神科医療に関心のある方にぜひ見ていただきたい内容です。

【YouTubeで見る】統合失調症と入院生活のリアル体験談

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