統合失調症を抱えていると、外出時に「人の目が気になる」「急に不安になる」「疲れやすい」と感じることがあります。しかし、外出そのものを避けるのではなく、“自分なりの安全地帯”を見つけることで、安心して過ごせるようになります。
この記事では、僕自身の経験を交えながら、外出先でできる安全地帯づくりとセルフケアのコツを紹介します。
外出先で「安全地帯」を意識する意味
外の環境は刺激が多い
外出すると、音・人混み・光など、多くの刺激が一気に押し寄せます。これらは統合失調症の方にとって負担になりやすく、不安感や疲労感を引き起こすきっかけになります。そのため、「自分にとって落ち着ける場所」をあらかじめ決めておくことが大切です。
私も外出中に気軽に立ち寄れるような安全地帯をいくつか作っています。こうすると、何かあった時も対処しやすいですし、何よりも外出中の安心があって精神が安定するでしょう。
安全地帯は“逃げ場所”ではなく“回復ポイント”
安全地帯というと「避難する場所」と思われがちですが、実際は自分を守り、気持ちを立て直すための回復ポイントです。たとえば「疲れたらこのカフェで休もう」「図書館に行けば静かに座れる」と考えるだけで、外出へのハードルがぐっと下がります。
特にカフェなどはどこにでもあるので、自分の好きな場所を見つけておくといいでしょう。お茶やコーヒーを飲むだけでも精神の安定につながりますし、疲れた時のリフレッシュにもなります。
外出先で安心できるスポットを探す
図書館・カフェ・公園などを“マイスポット化”
外出する前に、安心して過ごせる場所をいくつか決めておくと安心です。静かな図書館、落ち着いたカフェ、ベンチのある公園など、自分に合った場所をいくつかリスト化しておきましょう。
私の場合は、図書館の読書スペースや人の少ないカフェを“安全地帯”にしています。その場所を思い出すだけで、心が落ち着くこともあります。図書館が住んでいる地区の近くにない人は、公園などでもいいと思います。
「最悪ここに戻れる」という意識を持つ
外出時には、「ここに戻れば大丈夫」という“避難ポイント”を意識しておくのも大切です。たとえば、自宅から近いコンビニや駅のベンチなど、どんなときでも戻れる場所をひとつ持っておくと、外出がぐっと楽になります。
特にコンビニなどは日本全国の至る所にあるので、そのような場所を安全地帯として活用するといいでしょう。その場所に行くことでリフレッシュできますし、精神面を安定させられるはずです。
外出中に使えるセルフケアアイテム
五感を落ち着かせるアイテムを持ち歩く
外の刺激で不安になったときは、五感を使って気持ちを落ち着かせましょう。たとえば、イヤホンで音楽を聴く・香り付きハンカチを嗅ぐ・小さなお守りを握るなど、感覚に働きかけることで安心できます。
僕自身も、不安を感じたときには小さなアロマミストを使うことでリラックスしています。また、香水などを使ってもいいでしょう。私も昔から使っている香水があり、その匂いを嗅ぐとリラックスできるのです。
デジタルツールを活用する
スマホのホワイトノイズアプリや呼吸法アプリを使えば、どこでも短時間でリフレッシュできます。特に「深呼吸タイマー」や「環境音アプリ」は、短い休憩のときにぴったりです。
今はスマホのアプリがかなり進化しているので、色々探してみるといいでしょう。どこかにあなたにあった使いやすいアプリがあるはずです。私のオススメは深呼吸系のアプリです。呼吸を整えるとリフレッシュができます。
外出前の準備と行動ルール
混雑を避けるために時間帯を工夫
外出の目的地が同じでも、行く時間帯をずらすだけで安心感が変わります。たとえば、午前中の早い時間や平日の昼間など、人の少ない時間を選ぶことで、刺激を減らすことができます。
また、静かなルートや裏道を使うなど、自分にとって心地よい移動方法を探すのもおすすめです。統合失調症の患者さんは混雑が苦手という方も多いので、静かなルートなどを事前に探してもおくとストレスなく移動できるでしょう。
ルールを決めると外出が楽になる
私の場合、「不安を感じたら図書館かコンビニに入る」と決めています。このように「もしもの時の行動ルールを作っておくと、外出中に焦らず対応できます。オススメはどこにでもある建物を安全地帯とすることでしょう。
たとえば図書館はなかなか近くなくても、コンビニや公園ならあるかもしれません。身近な場所にある建物を安全地帯とすると、外出するのがもっと楽になると思います。ぜひ、探してみてくださいね。
【まとめ】外出先にも“自分の安心空間”を見つけよう
統合失調症を抱える人にとって、外出は体力だけでなく心のエネルギーも必要な行動です。だからこそ、「どこで休めるか」「何をすれば落ち着けるか」を事前に準備することが大切です。
- 図書館・カフェ・公園などを“安全地帯”にする
- 混雑を避けて静かなルートを選ぶ
- 香りや音など、五感を落ち着かせるアイテムを持ち歩く
- 「ここに戻れば安心」という避難場所を決める
- ルールを決めて、外出に安心感を持つ
外出の不安は、完全には消せません。でも、「自分の安全地帯」を持つことは、心の自由を取り戻す第一歩になります。ぜひ、今回の記事を参考にして、あなたも自分なりの外出先で使える安全地帯を探してみてください。
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外出中に不安を感じやすい方や、セルフケアを学びたい方におすすめです。
統合失調症の患者さんに有効な安全地帯の作り方はこちらの記事でも解説しています⬇️




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