統合失調症の精神科入院生活|病棟で過ごしたリアルな1日の流れ

家族に知ってもらいたいこと

統合失調症で入院と聞くと、「閉鎖的」「厳しい管理」「怖い場所」といったイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。しかし、実際の入院生活は、静かな日常と小さな変化の積み重ねの中にあります。

この記事では、僕自身が経験した精神科病棟での1日の流れを紹介しながら、入院中のリアルな生活の様子をお伝えします。統合失調症の治療やリハビリに関心のある方、また入院を検討している方にとって、少しでも参考になれば幸いです。

朝の始まり ― 静けさの中で整える時間

朝6時、病棟の1日が始まる

朝は6時ごろに起床。看護師さんの声かけとともに、病棟全体がゆっくりと動き始めます。入院中は規則正しい生活リズムが大切にされており、「起きる・食べる・休む」のサイクルが整っていきます。

僕にとってこの時間は、創作や読書に集中できる静かな時間でした。病室の机にスケッチブックを広げ、窓から差し込む朝の光を感じながら絵を描く。そんな穏やかなスタートが、心のリハビリにもなっていました。

朝食と体調チェック

7時半ごろには朝食。その後、看護師や医師による体調チェックがあります。睡眠の様子や気分の変化を話すことで、医療スタッフが小さな変化にも気づいてくれる安心感がありました。

朝食後に薬を飲む必要がある方の場合、看護師がその人の薬を持って服薬確認をします。入院中は服薬の管理もしてくれるので、この点は非常にありがたかった思い出があります。

午前の過ごし方 ― 診察と小さな外出

医師の診察で1日の調子を確認

午前中には主治医の診察があり、症状や気分を話します。医師との会話は短くても、「どう過ごしたいか」を共有する大切な時間です。調子が良ければ外出許可が出ることもあり、回復の実感を得られる瞬間でもあります。

医師の診察はそれほど長くありません。時間にすると3分くらいです。簡単な会話をして終わりという感じです。私の場合、症状も安定しつつあったので、診察よりも外出の時間のほうが楽しみでした。

外の空気に触れる“リハビリ散歩”

外出許可がある日は、看護師の付き添いで短い散歩に出ます。10分程度でも、外の風・木の音・光のまぶしさに触れることが、心のリセットになります。病棟内の閉じた空間とは異なり、「社会とつながっている感覚」を取り戻せる貴重な時間です。

散歩は病院の中庭に行くのですが、私はこの時間が非常に好きでした。なぜなら、閉鎖病棟に入院すると、なかなか病棟の外に出られないためです。散歩すると気分もリフレッシュしますし、精神の安定にもつながります。

午後の時間 ― 作業療法と人との関わり

作業療法で“手を動かす時間”

午後は作業療法(OT)の時間があります。絵を描いたり、手芸をしたり、体を動かす軽運動をしたりと、内容は人それぞれ。僕はよく、水彩画や折り紙を通して自分のペースで集中する時間を過ごしていました。

この活動には「自己表現」と「集中による安定」の両方の効果があります。私は絵を描くのが好きだったので、絵画療法には積極的に参加しました。自分が感じた思いを絵にするのは、いいリハビリになると思います。

グループミーティングで共有と共感

午後のもう一つの時間は、少人数のグループミーティング。その日の気分や考えを共有し、お互いの話に耳を傾けます。同じ病気を抱える人の言葉に共感し、「自分だけじゃない」と感じられることが大きな支えになります。

入院患者同士でミーティングをするので、患者さん同士のいいコミュニケーションの場所になりました。私は毎回というわけではないのですが、調子がいい時はグループミーティングに参加してリハビリをしていました。

夜の時間 ― 自由と静けさのバランス

夕食から自由時間へ

夕食後は自由時間。テレビを見たり、本を読んだり、談話室でおしゃべりをしたり。人によって過ごし方はさまざまですが、「一日の終わりをどう過ごすか」が入院生活の質を左右します。

僕はよく、日記を書いたり、翌日の予定をノートにまとめたりしていました。それが「安心して眠る準備」になっていました。また原稿用紙に小説を書くこともありました。閉鎖病棟は電子機器が持ち込めないため、アナログな方法で執筆していたのはいい思い出です。

就寝と“静寂の時間”

消灯は21時。病棟が静まり返る中で、自分の呼吸に意識を向け、眠りにつきます。入院生活では、静けさをどう受け入れるかが重要で、日々の安定に大きく影響します。病院の夜は早いので、私も早く寝て早く起きる生活を送っていました。

早寝早起きすると、自然と生活リズムが整うので、退院した後に昼夜逆転して生活にならないみたいな感じになりません。やはり、入院中から生活リズムを整えておいたほうが後のことを考えるといいと思います。

【まとめ】入院生活にも“小さな日常”がある

精神科入院というと、どうしても特別な場所のように思われがちです。ですが、実際には朝起きて、食べて、話して、眠る、そんな日常の連続です。

  • 朝の静けさの中で自分と向き合う
  • 医師や看護師との関わりで安心を得る
  • 作業療法やミーティングで回復を感じる
  • 夜の時間に自分を整える

統合失調症の治療は、薬だけでなく「生活リズム」「人との関係」「安心できる時間」が組み合わさって成り立ちます。入院という環境の中で、それらを少しずつ取り戻していくことが、社会復帰への第一歩です。

▶ 動画はこちらからご覧いただけます

🏥 精神科病棟での“リアルな1日”を、当事者の体験をもとに紹介しています。

入院生活の雰囲気や、日々の過ごし方を知りたい方におすすめです。

👉 【YouTubeで見る】精神科入院のリアルな1日

閉鎖病棟の生活についてはこちらの記事でも詳しく解説しています⬇️

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