精神科入院のルールとその理由|スマホ禁止・お金管理・面会制限の背景とは?

家族に知ってもらいたいこと

精神科の入院生活には、スマホやパソコンの持ち込み制限、入浴や外出のルールなど、一般病棟とは少し違った決まりごとがあります。最初は「なんでこんなに厳しいの?」と感じましたが、実際に生活してみると、すべてには“安全と回復”のための理由があることが分かりました。

この記事では、僕自身が精神科病棟で体験した「入院中のルール」と「その背景」を、当事者の視点からお伝えします。これから入院する方やご家族、支援者の方にとっての参考になれば幸いです。

電子機器の持ち込み禁止 ― なぜスマホやPCが使えないのか?

情報過多とストレスから守るため

多くの精神科病棟では、スマートフォン・パソコン・タブレットなどの電子機器の持ち込みが制限されています。その理由のひとつが、SNSやインターネットを通じた過剰な刺激を避けるためです。

精神状態が不安定なときに、SNSのコメントやニュースなどを目にすると、思考が混乱したり、被害的な考えが強まることがあります。医療スタッフは、患者が落ち着いて過ごせるよう、あえて情報の流入を制限しているのです。

プライバシーと安全のための配慮

病棟内では、他の患者さんやスタッフも生活しています。撮影・録音によるプライバシーの侵害を防ぐためにも、電子機器の利用には厳しい管理が必要です。このルールは「不便」に感じる一方で、安心して生活できる環境づくりにもつながっています。

今の時代、多くの人がスマホやPCを持っていて、日常的に使っています。それが入院中は全く使えなくなるため、最初は非常に不便でした。ただ、これも慣れの問題で、このような電子機器がなくても、問題なく入院生活は送れます。

入浴・散髪・日用品のルール ― 自立支援と安全のバランス

入浴スケジュールの理由

精神科病棟では、入浴できる曜日や時間が決まっていることが多いです。これは、安全に配慮しつつ衛生を保つための管理体制です。お湯の温度変化や体調不良による事故を防ぐ意味もあります。

僕のいた病棟では、週2〜3回の入浴が基本でした。最初は不自由に感じましたが、規則的な入浴リズムができると、体調も安定していきました。男性の日と女性の日と分かれており、入りたい時間を予約して入るというシステムでした。

散髪・身だしなみもリハビリの一環

散髪も病院内の理容師が来てくれる日があり、希望制で利用できます。「自分で身だしなみを整える」という行為が、社会復帰への第一歩になるという考え方です。清潔感を保つことは、気分の安定にもつながります。

散髪は無料ではないのですが、私は毎回髪を切ってもらっていました。私は坊主頭なので、毎回バリカンで短く切ってもらっていたのです。髪を切ると気分もリフレッシュするので、私はこの散髪のサービスが好きでした。

お金・差し入れ・外出制限 ― トラブルを防ぐための仕組み

お金は“少額管理”が基本

病棟では多くの場合、現金の持ち込みが制限され、必要な分だけ預かり管理されます。これは、金銭トラブルや浪費、衝動買いを防ぐため。「必要な分を必要なときに使う」習慣をつけるためのリハビリでもあります。

私の入院した病院は、大体千円程度でしか現金が持てませんでした。外出に行く時は、別途持ち出されるのですが、病棟の中で過ごす時は千円です。私の場合、病棟の中にある自販機でジュースを買うだけだったので、そこまでお金は使いませんでした。

差し入れ・外出には申請が必要

家族や友人からの差し入れは、スタッフが中身を確認して受け取ります。また、外出や外泊をする際には医師の許可が必要です。これらは制限ではなく、安全を守るための確認プロセスです。急な外出がトラブルにつながらないよう、段階的に行動範囲を広げていきます。

私の入院した病院は、回復してくると積極的に外出を勧められました。そのため、私は病院のバスに乗って駅まで行き、そこでお昼を食べて戻ってくるという外出の仕方をしていました。外出はストレス発散にもつながるので、私は好きでした。

面会のルール ― 信頼と安心のための仕組み

面会は時間・人数ともに制限あり

面会は事前予約制で、1回の時間が限られていることが多いです。感染症対策や病棟の安全管理のために、人数・時間・場所を制限して行います。最初は短時間でも、状態が安定すれば徐々に柔軟になります。

閉鎖病棟に入院すると、面会できる人間が非常に限られます。基本的には、家族としか会えません。友人や同僚とは面会できないので、これは非常に不便だった記憶があります。私は友人がお見舞いに来てくれたので、ルールのため会えずに帰ってもらいました。

家族との関係を再構築する機会

面会は、単なる「お見舞い」ではなく、治療の一部でもあります。家族との会話の中で、誤解を解いたり、回復の様子を共有したりすることで、お互いの信頼を取り戻すことができます。

スタッフが同席することで、安心して話せる環境が整っています。家族との面会は私の中で一種の癒しの時間でした。両親や兄妹と話せる時間が何より嬉しく、これも回復のためには重要な時間になると感じます。

【まとめ】“制限”の中にも“回復の目的”がある

精神科入院のルールは、一見すると「厳しい制限」に思えます。しかし、そのすべてが患者の安全と回復のために設けられたものです。

  • 電子機器の制限 → 情報過多やストレスから守る
  • 入浴・散髪 → 安全管理と自立支援のバランス
  • お金・差し入れ → トラブル防止と生活リズムの安定
  • 面会ルール → 信頼関係を取り戻すプロセス

僕自身、入院を通して「不自由の中にも意味がある」と感じました。その仕組みを理解することで、安心して入院生活を送ることができます。入院生活は不便ですが、慣れで意外となんとかなるものです。回復のための修行だと思って、乗り越えていきましょう。

▶ 動画はこちらからご覧いただけます

🏥 精神科入院のルールとその理由を、当事者の視点でわかりやすく解説しています。

これから入院する方やご家族の方に役立つ内容です。

👉 【YouTubeで見る】精神科入院のルールとその理由

閉鎖病棟についてはこちらの記事でも詳しく解説しています⬇️

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