統合失調症の患者さんの社会生活機能を評価するツール「MASC」って一体何なの?

統合失調症のコラム

統合失調症を持つ人が、自分らしく生きるための指標があります。

それが、社会生活能力をはかる評価の基準です。

近年の統合失調症の治療では、社会機能の回復の重要性が説かれています。

これは、社会機能の回復が、脳の機能の解明に大きく役立つのでは? と、考えられているためです。

今回は、統合失調症の患者さんの社会生活機能を評価する尺度「MASC」についてご紹介します。

それでは、早速見ていきましょう。

本記事はこんな人にオススメ

  • 社会生活機能のはかり方を調べている方 
  • 「MASC」という評価ツールを調べている方

□統合失調症の患者さんを評価する尺度「MASC」とは?

統合失調症の患者さんを評価する尺度「MASC」を知っているでしょうか?

これは英語で――。

「Maryland Assessment of Social Competence」

と書きます。

そして、その頭文字を取り「MASC」と呼んでいるのです。

これは主に、社会生活を行う能力を指す指標になります。

□「MASC」はどんな風にして評価されるの?

Maryland Assessment of Social Competence

「MASC」とはどんな風にして評価されるのでしょうか?

コチラについて、簡単にまとめましたので見ていきましょう。

基本的には、次の3つのステップを踏むようです。

  1. 社会生活の6場面をビデオで見る 
  2. 設定した状況で会話の能力の評価をする 
  3. 言語能力をはじめとする能力を5段階で評価する

この流れです。

それぞれ1つずつ見てきましょう。

「MASC」の評価の流れ①

まずは社会生活を送るための、基礎ができているか見ていきます。

どうやら、社会生活を送るために必要な、6つの場面をビデオで見ていくようです。

ここから、どのくらい、社会生活を送るための力があるかはかっていきます。

「MASC」の評価の流れ②

次に、設定した状況でどのような会話ができるか確認していきます。

つまり、会話の能力がどの程度あるのか確かめていくのです。

具体的な例がなかったので、あくまで推測ですが、人に道を聞く状況などを想定して、実際に道を尋ねる会話ができるかなどをはかっていくのではないでしょうか?

「MASC」の評価の流れ③

さらに次の評価方法があります。

それは――。

  1. 言語技能(会話の内容) 
  2. 非言語的技能(視線やジェスチャー) 
  3. 全般的有効性(話の焦点を維持し、ロールプレイの目標を達成する能力)

この3つの能力を図っていきます。

3つを軸にして、これらを5段階で評価していくようです。

以上のような流れで、「MASC」は評価されていきます。

□「MASC」は誰が評価していくの?

「MASC」などの評価ツールはいくつかありますが、誰が評価するのでしょうか?

基本的に医師をはじめとする専門家が行います。

しかしながら、医師は四六時中患者さんを診ているわけではないので、評価するのはなかなか難しいでしょう。

実社会での社会機能を測定するためには、客観的な評価が優れています。

ですので、患者さんを評価するための情報提供者が必要になります。

これは、「MASC」に限りませんが、このような評価ツールの評価をするのに、一般的には、医師の他に、介護士が情報提供者になるようです。

同時に、介護士の方にも面接をして、情報提供者の尺度の記入もしていきます。

そして、この介護士の方と協力していきながら、面接を並行して行い、より正確な情報を把握できるように工夫していきます。

また、情報提供者は一人というわけではありません。

複数いれば、それでも問題がないのです。

□「MASC」の抱える課題とは?

「MASC」は課題も多い評価ツールです。

具体的には次のような問題があると考えます。

  1. どのような社会場面を想定すればいいのか見極めるのが難しい 
  2. 対人テストは複雑になりやすいので簡素化が必要 
  3. 評価テストの実施に時間がかかってしまう

以上のような問題があるでしょう。

それでは、1つずつ見ていきます。

「MASC」の抱える課題①

「MASC」は行う能力を測る指標です。

よって、どのくらいパフォーマンスがあるのか、はかる必要があります。

ですが、これらはすべて情報提供者がするわけではありません。

限られた時間の中で、診察室などで行うケースもあるでしょう。

よって課題となるのは――。

「どのような社会生活の場面を想定するか?」

これに尽きるのではないでしょうか?

例えば、自立した生活を送る上で、どのくらいの社会生活能力があるかはかるとしましょう。

この時、目的となる社会生活を限定すれば、ある程度社会生活場面は想定できます。

しかし、これまで患者さんが体験したことを踏まえた場面を想定してしまうと、評価が正確にできません。

これは能力そのものというよりも、患者さんの過去の体験や社会的な知識が大きく影響してしまうためです。

「MASC」の抱える課題②

また、対人機能を測るテストはより一層複雑です。

これもどんな患者さんにも対応できるような評価方法を作る必要があります。

「MASC」の抱える課題③

さらに、実施に時間がかかることも問題です。

MASCではロールプレイという実際の場面を想定して、テストするケースがあります。

これらは、視線や表情などの外見的な要素を踏まえつつ、測定に当たるのでかなり時間がかかってしまうのです。

同時に、すべてを数値化して測定するのは、社会生活機能という内面を見る限り、なかなか難しいと感じます。

ウッチー

以上のような問題点があると、ウッチーは考えました。

□「MASC」という社会生活機能をはかる評価ツールを理解しよう

今回は、統合失調症の患者さんの社会生活機能をはかる指標「MASC」について紹介しました。

統合失調症になっても、社会生活を送る必要があります。

そんな時に、「MASC」といった評価ツールは有効になるでしょう。

最後に、まとめとして本記事で紹介した内容を振り返っていきます。

  1. 統合失調症の患者さんを評価する尺度「MASC」とは? 
  2. 「MASC」はどんな風にして評価されるの? 
  3. 「MASC」は誰が評価していくの? 
  4. 「MASC」の抱える課題とは?

以上4つの内容でお届けしました。

「MASC」に関する情報は、あまり数が多くありません。

ですので、こうして改めて1つの記事にしてまとめました。

この記事が、統合失調症の患者さんを評価する尺度である「MASC」について調べている方の参考になれば幸いです。

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