こんにちは、ウッチーです。
「統合失調症を調べると、よく『セロトニン』って出てくるんだけど、一体何なの?」
と、このような疑問を覚える方が多いようです。
結論からお話しすると――
「セロトニンは、ストレスに効果のある脳内物質の1つ」
です。
そして、これが不足すると、統合失調症になるのでは? と言われています。
今回は、統合失調症を調べるうえで重要なフレーズである「セロトニン」を語ります。
一体、「セロトニン」と「統合失調症」はどんな関係があるのでしょうか?
この記事が、統合失調症とセロトニンを調べている方の参考になれば幸いです。
□これで完璧!「セロトニン」を知るための3つの情報を紹介!
統合失調症を調べるとよく出てくる「セロトニン」とは、一体何なのでしょうか?
コチラは――
「脳内で働く神経伝達物質」
になります。
基本的に、セロトニンには、次の効果があると言われています。
- 感情をコントロールする
- 気分を保つ
- 精神の安定
以上です。
1つずつ見ていきましょう。
セロトニンを知るために① 感情のコントロール
セロトニンは感情をコントールする、脳内の物質です。
ですから、これが不足するとストレス障害になりやすくなるのです。
逆に、セロトニンが十分にあると、ストレスになりにくく、健康的になれます。
セロトニンを知るために② 気分を保つ
セロトニンは気分をよりよくするために重要な、脳内物質の1つです。
これがすべてというわけではないのですが、不足すると気分が不安定になります。
また、睡眠障害なども出てくるので、不足しないようにしたいものです。
セロトニンを知るために③ 精神の安定
統合失調症を調べると、「セロトニン」というフレーズがよく出てきます。
この理由は、セロトニンが精神安定のために一役買っているからです。
そして、このバランスが崩れると、統合失調症のような症状の原因になることがあります。
簡単にまとめると、次のような形になります。
「セロトニンは、感情や気分をコントロールし、精神の安定に深く関わっている」
ですから、統合失調症を語る上で、「セロトニン」の存在は非常に重要なのです。
□ここは抑えたい!「セロトニン仮説」ってどんな意味?
統合失調症の原因は、実はよくわかっていません。
しかし、その原因の可能性として「セロトニン」が関係しているのでは?
と、言われています。
また、そのセロトニンが統合失調症の陰性症状と深く関係しているのでは?
と、言われることがあります。
そしてこれを――
「セロトニン仮説」
と呼んでいます。
といっても、よくわからないと思うので、少し詳しく解説します。
統合失調症の症状の中に、「陰性症状」というものがあります。
これは、「無気力」「寝てばかりいる」「動けない」などの、症状です。
統合失調症の回復の課程の中で、陰性症状は避けて通れません。
そして、ここにもセロトニンが関係していると言われています。
セロトニンと同じくらい重要な意味を持つ「ドパミン」という神経伝達物質があります。
これは、気持ちを興奮させたり、緊張させたりする物質です。
また、ドパミンが過剰に分泌されると、統合失調症の症状が出やすくなります。
ですから、お薬を飲んでドパミンの過剰分泌を抑える必要があるのです。
ただ、ドパミンを抑制するお薬を飲んでも、「陰性症状」が消えない患者さんがいます。
そんな患者さんに対し、セロトニンの働きを遮断するお薬を投与すると、陰性症状の改善がみられるケースがあるのです。
これは、ドパミンとセロトニンのバランスが崩れると、セロトニンの働きの方が優位になるのでは? と、いうことを意味しています。
そして、セロトニンが優位になったところで、セロトニンを抑制するお薬を投与したため、陰性症状がなくなるのではないか? と、言われているのです。
同時に、この現象のことを「セロトニン仮説」と呼んでいます。
□簡単解説!「セロトニン」と陰性症状の関係を見ていこう
ここまで、「セロトニン」が陰性症状と密接に関係しているのではないか?
と、いうことをお話ししてきました。
ここで、今一度統合失調症の症状を見ていきましょう。
統合失調症には――
- 陽性症状
- 陰性症状
この2つがあります。
基本的に、ドパミンという神経伝達物質が過剰に分泌されると、陽性症状が出ます。
陽性症状というのは「幻聴」「幻覚」「妄想」などの症状です。
ですので、このドパミンを抑えれば「陽性症状」は収まります。
しかし、既に少しお話していますが、ドパミンを抑えても陰性症状は改善しないケースがあるのです。
この時は、脳内でセロトニンが優位になっているのだと言えるでしょう。
そのため、今度はセロトニンをブロックする必要があります。
そうすると、陰性症状にも効果があるのです。
つまり、統合失調症の症状を抑えるためには――
「ドパミンとセロトニンを同時にブロックする必要がある」
と、いうことになります。
簡単にまとめると、次のような形です。
- ドパミンは陽性症状と関わりが強い
- セロトニンは陰性症状と関わりが強い
このようになるでしょう。
そして、陰性症状を抑えるためには、セロトニンをブロックする必要があるのです。
また、このような陽性症状と陰性症状の両方に効果のあるお薬を――
「非定型抗精神病薬」
と、いいます。
一般的に現在使われている統合失調症のお薬は、非定型抗精神病薬が中心です。
ですので、お薬を飲んでいけば、必ず症状が治まるので安心してください。
統合失調症のお薬に関してはコチラの記事で詳しく解説しています↓
□丸わかり!逆に「セロトニン」が不足するとどうなるの?
ここまで「セロトニン」と「統合失調症」が密接に関係しているとお話してきました。
過剰に分泌され、セロトニンが優位になると陰性症状が出やすくなります。
では、逆に不足するとどうなるのでしょうか?
セロトニンが不足すると、次のような症状が出やすくなります
- 攻撃的になる
- うつ症状が出てくる
以上の症状です。
1つずつ見ていきましょう
セロトニンが不足すると① 攻撃的になる
少し紹介していますが、セロトニンはストレスに効果のある脳内物質です。
そのため、精神安定の作用があります。
よって、これが不足すると、精神のバランスが崩れ、攻撃的になってしまいます。
これはセロトニンが不足したために、ノルアドレナリンやドパミンの暴走を抑えきれなくなるために発生します。
※ノルアドレナリン
激しい感情や、強い肉体作業などで人体がストレスを感じたときに放出される、神経伝達物質
セロトニンが不足すると② うつ症状が出てくる
セロトニンは、感情や気分をコントロールする、脳内の神経伝達物質です。
よって、精神の安定に深く関わっています。
ですので、セロトニンが不足すると、精神が不安定になり、うつ症状になりやすくなるのです。
統合失調症とうつ病の関係は、コチラの記事で詳しく解説しています↓
□ぜひ参考に!「セロトニン」を増やすためにしたい3つのこと
ドパミンを抑え、セロトニンが優位に働くと、統合失調症の陰性症状が出やすくなります。
ですから、今度はセロトニンを抑える必要があるのです。
これはお薬を服薬して、ドパミンを抑え、セロトニンが優位に働いた場合のみの話。
基本的に、セロトニンは精神安定をつかさどる物質のため、増やしてあげると効果的。
では、どんな方法で増やせばいいのでしょうか?
セロトニンを増やす方法は次のとおりです。
- 適度な運動
- 日光浴
- 睡眠
それぞれ見ていきましょう
セロトニンを増やす方法① 適度な運動
セロトニンを増やすには、適度な運動を大切です。
特に効果的なのは「リズム運動」になります。
これは、一定のリズムを同じ動作で繰り返す運動です。
ですので、ウォーキング、スクワットなどの運動がオススメ。
こうすることで、セロトニンが増えていくでしょう。
セロトニンを増やす方法② 日光浴
セロトニンを増やすためには、「日光浴」も重要です。
1日20分程度、太陽光を浴びると、セロトニンを増やす効果があります。
特にオススメは朝の時間帯です。
朝の日光浴は覚醒のスイッチにもなりますし、気分がしゃっきりするでしょう。
毎朝起きたら日光浴をするようにすると効果的です。
セロトニンを増やす方法③ 睡眠
脳内物質であるセロトニンは、定期的に休むことが大切です。
寝不足が続いてしまうと、どうしても脳の機能に問題が出てきます。
ですから、しっかり眠るようにしましょう。
眠れない日々が続くという方は、睡眠薬を使うというのも手です。
まずは眠りの質を高める。これがとても重要になります。
統合失調症と不眠の関係はコチラの記事で詳しく解説しています↓
□ちょっと難解?「セロトニン受容体」について理解しよう
セロトニンに関する情報を調べていると「セロトニン受容体」というフレーズにたどりつきます。
これは、一体どんな意味なのでしょうか?
まずは、受容体とは何なのか説明します。
受容体とは?
受容体とは、生物のカラダにある外からや体内からの、何らかの刺激を受けとる構造のことを言います。
例えば、目や耳などは、外からの情報を得る器官ですよね?
これも受容体の1つです。
また、刺激を受け取るための分子やタンパク質のことも受容体ということがあります。
これを踏まえて、セロトニンに受容体を見ていきましょう。
セロトニン受容体とは?
セロトニン受容体は、中枢神経系にある受容体の一群のことを言います。
中枢神経系とは、脳と脊髄に集まっている、多数の神経細胞のことです。
そして、現在わかっているセロトニン受容体は、全部で11つになります。
また、この11の内、統合失調症と関係しているのは1つだけ。
それが――
「セロトニン5-HT2A受容体」
です。
これは、統合失調症の陽性症状や陰性症状などに対して関係しています。
実は、このような症状に対し、治療薬が作用するタンパク質があるのです。
また、この治療薬が効く作用のことを、「拮抗作用」と呼んでいます。
拮抗作用とは、人のカラダのある現象に対して、2つの要因が同時に働いて、お互いにその効果を打ち消し合う作用のことを言います。
統合失調症のお薬は、「ドパミンD2受容体」や「セロトニン5-HT2A受容体」などの拮抗作用により、幻覚、妄想、感情や意欲の障害などを改善するのです。
簡単に言うと、この2つの受容体が同時に働いて、お互いにその効果を打ち消し合うため、陽性症状や陰性症状が軽減されていくという形になります。
※ドパミンD2受容体=脳内にあるドパミンの受容体のこと
つまり――
- ドパミンD2受容体の拮抗作用で、陽性症状を改善
- セロトニン5-HT2A受容体の拮抗作用で、陰性症状を改善
ということになります。
少し難しい話ですが、セロトニン受容体というのは、統合失調症の症状を抑えるために重要な仕組みを持っているということです。
□統合失調症と「セロトニン」の関係を細かく解説してきました
今回は「統合失調症」と「セロトニン」の関係をいろいろな角度から解説しました。
統合失調症で検索すると、よくセロトニンは引っかかってくるので、気になっている方も多いでしょう。
繰り返しになりますが――
「セロトニンは、精神を安定させるための脳内物質」
になります。
また、このバランスが崩れると、統合失調症の原因になるのでは?
と、言われています。
最後に、本記事で解説してきた内容をまとめて見ていきましょう。
- セロトニンとは
- セロトニン仮説とは
- セロトニンと陰性症状の関係
- セロトニンが不足するとどうなるか
- セロトニンを増やす方法
- セロトニン受容体とは
以上6つの内容を、ウッチーが語ってきました。
中には難しい話もありましたが、なるべくわかりやすいようにまとめたつもりです。
きっと、「セロトニン」に関する情報がよくわかったのではないでしょうか?
この記事が、「統合失調症」と「セロトニン」の関係について調べている方の参考になれば幸いです。
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