こんにちは、ウッチーです。
ネット上を見ると、「断薬 再発しない」などと、調べる方が多いようです。
以前にも別の記事で解説しましたが――。
「お薬を断薬すると、高確率で再発します」
ですから、自己判断で勝手にお薬を止めてはいけません。
しかしながら、お薬をずっと服薬するのは負担です。
そんな中、統合失調症の研究論文で、こんなものがありました。
それは――。
「統合失調症における抗精神病薬中止後の再発は離脱現象か病気の再燃か:無作為化プラセボ対照試験の事後解析より」
という研究論文です。

今回はココにスポットを当てて、ウッチーなりの見解をお話します。
この記事はこんな方にオススメ
- 抗精神病薬を断薬するとどうなるか調べている方
- 統合失調症の治療で抗精神病薬を飲んでいる方
□お薬を断薬した後の再発は離脱症状?それでも再燃?
統合失調症になると、薬物療法が中心になります。
これは、抗精神病薬という治療薬を服薬し、治療を進める方法です。
基本的に、抗精神病薬はずっと飲み続ける必要があります。
その理由は、再発を防ぐためと言われています。
詳しくは次のグラフをご覧ください。

このように、服薬を中止してしまうと、80%の割合で再発してしまうのです。
また、再発すると、徐々に治りにくくなるので、できるのなら再発は防ぎたい問題でしょう。
断薬の危険性はコチラの記事でも詳しく解説しています↓
ですが、ここに違った角度から切り込んだ研究論文があります。
それが――。
「統合失調症における抗精神病薬中止後の再発は離脱現象か病気の再燃か:無作為化プラセボ対照試験の事後解析より」
という研究論文です。
これは、統合失調症のお薬を止めた時、再発のような症状が出るのは、実は再発ではなく、お薬の離脱症状なのではないか? と考えた研究論文になります。
これが正しいのだとすると、抗精神病薬の服薬を止めても、離脱症状の時期さえ乗り越えれば、普通に生活ができるようになる、ということを意味しています。
例えば、抗不安薬や抗うつ薬を服薬していて、それを徐々に減らしていき、最終的に断薬すると、離脱症状が出る場合があります。
これは、お薬を使うことにカラダが慣れているので、そこでお薬を抜くと、調子が悪くなってしまう状態です。
これと同じことが、抗精神病薬にも言えるのでは? と考えた研究者がいて、統合失調症の患者さんに対して、ある実験をしました。
実際にお薬を飲むグループと、プラセボという偽のお薬を飲むグループにわけて、再発なのか? それとも離脱症状なのか調査したのです。
その結果――。
「離脱関連現象が抗精神病薬中止後の高い再発率に寄与し得るというエビデンスは得られなかった」
としています。
つまり、お薬を断薬した時に、起こる再発症状は、離脱症状ではなく、症状の再発であるということが確認されたわけです。
□やはりお薬を服薬する必要がある
実験の結果から、統合失調症はお薬を止めると、高い確率で再発するとわかりました。
ですから、お薬はしっかり服薬する必要があると言えるでしょう。
ですが、お薬を飲みたくない場合、無理に飲ませない動きも増えてきています。
実は、現代の統合失調症は、比較的軽症で、そこまで症状が強く出ないのです。
よって、強引に薬を使って症状を抑えるよりも、再発を覚悟して、お薬を飲まないという選択をして、活動的にいたいと考える方も多くなっています。
お薬を止めると、高い確率で再発してしまいます。
だからこそ、お薬を服薬する必要があるのです。
しかしながら、統合失調症のお薬は、鎮静作用が高いため、活動性が低下してしまう欠点があります。
お薬を飲まないリスクを把握したうえで、どうするのかは、患者さん本人が決めることではないでしょうか?

但しウッチーは、何度か再発し、その都度苦しい目に遭ってきたので、断薬は考えていません。
ですが、活動的にいたいからお薬を飲みたくないという方がいても不思議ではないでしょう。
もっとも、断薬は危険な行為なので、個人判断でしてはいけません。
それでも、医師にしっかり状況を説明し、何かあった時に対処する環境さえ作れれば、断薬するという方法も取れないわけではないでしょう。
いずれにしても、医師に理解してもらい、サポートの体制を作るのが重要になってきます。
お薬を飲まないという考え方はコチラの記事でも詳しく解説しています↓
□再発が嫌なら素直にお薬を飲むに限ります
今回は、統合失調症の研究論文をもとに、お薬の断薬が、症状の再発なのか? それとも離脱症状なのか? コチラの情報をまとめました。
残念ながら、断薬した時に発生する嫌な症状は、離脱症状ではなく、再発であると、確認されました。
ですので、統合失調症のお薬はしっかり服薬しないとならないのです。
ただ、お薬を飲まない選択肢をされる方も増えてきている現実があります。

ウッチーは、お薬を飲んだ方がいいと考えています。
しかし、それを決めるのは、自分自身です。
もしも、お薬を止めたいと考えたのならば、まずは医師に相談し、リスクを把握し、自分の中での悩みを解決してから行いましょう。
この記事が、統合失調症とお薬の関係を調べている方の参考になれば幸いです。
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