精神疾患にまつわる偏見や誤解、それは誰にとっても避けたいものですが、実際には多くの当事者がその言葉に傷つき、孤独を感じています。私自身も、心ない言葉に戸惑ったことが何度もありました。けれど時間が経つにつれ、「相手は悪意ではなく、ただ知らないだけなのかもしれない」と思えるようになったのです。
この記事では、そんな経験を通して感じた「偏見との向き合い方」や「誤解を減らすためにできること」についてお話しします。理解を広げるための小さなヒントとして、そして同じように悩む誰かの心を軽くするきっかけになれば嬉しいです。
偏見や誤解は無知から生まれる
「悪意」よりも「知らなさ」が根っこにある
精神疾患に関する偏見や誤解は、相手が知らないことから生まれる場合が多いです。「怖い」「甘えている」などの言葉も、情報が少ない中で作られたイメージに過ぎません。そう考えることで、相手の言葉に対して感じる怒りや悲しみを、少しずつ別の形に変えていくことができます。
日本では、統合失調症という病名を知っている人は増えてきたと思います。しかし、名前だけ知っているだけで、どういう病気なのか知っている人はあまり多くありません。ですから、よくわからない病気というふうに考えられています。
怒りを「伝える力」に変える
心ない言葉を聞いたときに我慢するのではなく、「どうしてその言葉がつらいのか」を説明することで、相手の理解を広げるきっかけになります。偏見をなくす第一歩は、対話から始まります。
偏見の元にはやはり無知というものがあると思います。ですから、まずは対話にて病気について知ってもらう必要があるのです。ただ、これが意外と難しいと感じます。なぜなら、精神の病は見た目は普通であり、症状も抽象的なので、説明するのが大変だからです。
偏見を受けたときに心を守る考え方
「相手を変えよう」としすぎない
すべての人に理解を求めるのは難しいことです。だからこそ、「わかってくれる人」と「距離を置く人」を見極めることが、心の安定につながります。この世界には色々な人がいます。精神疾患に対しても理解がない人がいるのは事実です。
そのような人に対しても、理解をしてもらいたいと思うのは正しい気持ちだと思いますが、とても難しいでしょう。ですから、まずは身の回りの人たちに知ってもらうために対話をすることが一番大切なのではないでしょうか?
「知らない人の言葉」に振り回されない
SNSや職場など、相手の事情を知らない人の言葉に傷つくこともあります。そうした場合は、その人は自分の状況を知らないだけと距離を置くことが、自分を守る方法の一つです。私も色々な人に会い、傷ついた経験もあります。
その経験を踏まえて述べさせてもらうと、障害、つまり統合失調症などのメンタル疾患は、わかってくれる人にだけ理解されればいいと考えると楽になると思います。身近な人から理解してもらい、徐々にその輪を広げていけばいいわけです。
偏見を減らすためにできること
体験を共有することで「知る」人を増やす
精神疾患に関する正しい理解は、当事者や家族の発信から広がります。動画・SNS・ブログなどを通して体験を伝えることが、「無知から生まれる偏見」を少しずつ減らす力になります。特にSNSは有効なツールだと感じます。
なぜなら、今の時代誰でもスマホを持っていますし、何らかのSNSをやっているからです。だからこそ、SNSを通して統合失調症に関する情報を公開し、理解を広めていくという手法は非常に効果的だと感じます。
支援者や専門家と協力する
一人で偏見に立ち向かうのは難しいことです。支援者、医師、カウンセラーなどと協力しながら、理解を広げる輪を作ることが大切です。私の場合、YouTubeやブログを通して、統合失調症の理解を深める活動をしています。
今の所、私の力は非常に限られた場所でしか発揮できておらず、当初の目的である多くの人に統合失調症を理解してもらう活動ができていません。しかし、今後もこのブログを通したり、将来的には映像を通して理解を深める活動をしたいと考えています。
「受け止める」と「受け入れる」は違う
つらい感情を否定しない
偏見を受けて傷つくことは自然なことです。「強くならなきゃ」と無理にポジティブになるのではなく、まずは「つらかった」と認めることが回復の第一歩です。辛さを認めるのは、弱さではなく強さであることを覚えておきましょう。
また、自分の弱さを知っているからこそ、他人にも優しくできるのだと思います。統合失調症になり、色々苦労している方が多いと思いますが、それを糧にして、まずは弱さを認め、偏見を減らすための対話をしていくと療養にも効果があるでしょう。
「経験を語る勇気」が次の誰かを救う
偏見を乗り越えた経験を発信することで、同じように悩む人に希望を与えられます。その一歩が、社会の理解を深める小さな光になるのです。確かに、自分の力は微弱かもしれません。しかし、何もしないと何も変わらないのです。
ですから、まずは行動することが一番大切だと感じます。そして、小さな一歩であっても、それを繰り返していけば、大きな一歩となり、道となるのだと思います。だからこそ、あなたの小さな行動が、偏見をなくすためにはとても大切なのです。
まとめ ― 誤解を減らし、理解を広げるために
「知ること」「話すこと」「距離を取ること」が鍵
偏見をなくすには、知識と対話、そして心の距離の取り方が大切です。誰もが完璧ではないからこそ、「互いに学び合う姿勢」を持ち続けたいものです。まずは、わかってくれる人にだけ、対話をして通じあい、その後、その輪を広げていくといいでしょう。
私も、統合失調症になり非常に苦労しました。だからこそ、同じ病を持つ人たちがもっと生きやすくなるように、この病気について社会的に理解してもらうような活動を続けていきたいと思っています。
動画でより深く学ぶ
今回の記事で触れた内容を、僕自身の体験を交えて詳しく語った動画をYouTubeで公開しています。
同じ悩みを抱える方や、精神疾患を理解したい方のヒントになれば幸いです。
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