こんにちは、ウッチーです。
「統合失調症になり、認知機能に障害が出てしまったけど治るの?」
と、こんな疑問を覚える当事者が多いです。
結論からお話しすると――。
「一度認知機能に障害が出ると治りにくい」
と、言われています。

事実、ウッチーは認知機能に障害が出てしまい、日常生活にも支障があります。
ですが、諦めないでください。
認知機能に障害が出ても、自分らしく暮らしていくことは可能です。
今回は、統合失調症が抱える問題の1つである「認知機能障害」について語ります。
この記事が、統合失調症の「認知機能障害」について調べている方の参考になれば幸いです。
□まずは知ろう!「認知機能」って何?
統合失調症になると、「認知機能」に障害が出てしまうケースが多いです。
では、認知機能とは、一体何を意味しているのでしょうか?
まずは、認知機能についてみていきましょう。
認知機能とは?
認知機能とは、簡単に言うと次の能力のことを指します。
- 記憶
- 思考
- 理解
- 計算
- 学習
- 言語
- 判断
これらの知的な能力のことを、総じて認知機能と呼んでいます。
そして、統合失調症になると、この認知機能に障害が出やすくなってしまうのです。
認知機能の障害がみられ、日常生活はもちろんですが、社会活動をするときにも支障をきたすようになります。
また、一度認知機能に障害が出てしまうと、元通りに治るのは難しいです。
ですので、衰えた認知機能を、これ以上低下させないようなリハビリがメインになります。
「認知機能は回復しない……、もう人生終わりだ……」
と、このように考える当事者も多いかもしれません。
事実、ウッチーもそんな風に考えた時期がありました。
ですが、諦めないでください。

ウッチーは認知機能に障害が出てしまっていますが、普通に暮らしています。
つまり、認知機能に障害が出たとしても、生活するのは可能なのです。
確かに辛いことも多いですが、諦めずに治療を進めましょう。
□「認知機能障害」ってどんな症状なの?
認知機能障害とは、具体的にどんな症状なのでしょうか?
この項目では、主にウッチーが感じている認知機能障害についてお話しします。
ウッチーが抱えている認知機能障害はいくつかありますが、代表的なのは次の3つです。
- 注意力が低下する
- 記憶力が低下する
- 複数の仕事が同時にできない
などです。
1つずつ見ていきましょう。
ウッチーが抱える認知機能障害① 注意力の低下
統合失調症になると、注意力が低下するケースが多いです。
例えば、人の話を聞いている時、何か物音がすると、それが気になって集中できなくなるのです。
注意力が散漫になるという感じでしょうか。
ですから、ウッチーは人の話がうまく理解できないことが多いです。
そのため、各種書類の手続きなどは、一人でできないケースが多く苦労しています。
ウッチーが抱える認知機能障害② 記憶力の低下
統合失調症になると、記憶力も低下してしまいます。
さっき聞いた話なのに、もう忘れているということが結構あるのです。
また、本を読んでいて1章から2章に進んだとき、1章の内容を忘れてしまうケースもあります。
よく忘れるのは、メモを取るようにして対策をしています。
ただ、そのメモを忘れることもあるので注意が必要です。
ウッチーが抱える認知機能障害③ 複数の仕事が同時にできない
ウッチーは基本的に1つの仕事しかできません。
この記事を書いている時も、記事を書きながら別の仕事をするというのは無理です。
なんというか、何をやっているのかわからなくなり、パンクしてしまいます。
このような障害があるため、普通の仕事はほとんどできません。
一般的な仕事は、その仕事をしている中で、別の作業もしなければならないことが多いです。
ですが、ウッチーにはそれができないのです。
ですから、仕事先では「使い物にならない」とののしられていました。
WEBライターを始めてからは、1つの作業に集中できるので、何とか仕事ができるようになりました。
以上のような認知機能の障害があります。
これを踏まえて、認知機能に障害が出た時の対策をまとめていきます。
□「認知機能障害」はこうやって対処しよう
認知機能に障害がでると、日常生活で苦労します。
ですが、決して生活できないわけではありません。
しっかりと対策さえすれば、不便は感じますが生活できるので安心しましょう。

ウッチーが次のような方法で、認知機能障害を乗り越えています
- 人を頼る
- メモを取る
- タイマーを使う
このような対策です。
1つずつ見ていきましょう。
認知機能障害の対策① 人を頼る
統合失調症になると、結構色んな書類を書くケースが多いです。
例えば――。
- 自立支援医療制度の書類
- 障害者手帳の書類
- 障害年金の書類
などです。
これ以外にも、たくさんの書類を書く場合があります。
ただ、ウッチーはこれがほとんどできません。
最初はできないことが恥ずかしいと思っていたので、無理をしてやっていました。
ですが、あまりにも間違ってしまい、結果的に面倒が多くなるので、人を頼るようにしました。
書類の制作で困ったときは、
- ケースワーカーさん
- 障害者の支援施設のスタッフ
- 両親や兄弟
を頼るようにしています。
1人ではできない作業でも、人に協力をお願いすればできるようになるはずです。
ですので、自分にできない作業は、人を頼ると上手く回ります。
認知機能障害の対策② メモを取る
人の言っていることを忘れてしまうのは、メモを取ると結構解決できます。
自分でメモを書くのはもちろんですが、生活を支援してくれる人たちにも頼むケースもあります。
メモを書いて、わかりやすいところに貼っておけば、思い出せます。
メモを書くだけにしてしまうと、メモを書いたことを忘れるので、わかりやすいところに貼っておくと効果があります。

ウッチーは100円ショップでメモ帳を買い、そこにメモして壁にセロハンテープで貼っています。
メモを取る前は、クリニックに行くのを忘れたりしていましたが、それがなくなりました。
認知機能障害の対策③ タイマーを使う
ウッチーは基本的に1つの仕事しかできません。
例えば、記事を書きながら、新しい別の記事をリサーチするとかはできません。
なので、1つの仕事になるべく集中するようにしています。
ただ、集中力も低下しているので、あまり長く仕事ができません。
なので、ウッチーはタイマーを使って仕事の管理をしています。
30分ごとにタイマーを鳴らして、それが鳴ったら休憩するなどしています。
また、タイマーが鳴ったらそれまでの仕事を一旦やめて、買い物などの家事をしたりもします。
ウッチーはスマホが上手く使えませんが、タイマーの使い方は教えてもらってできるようになりました。
タイマーを使って時間ごとに仕事を区切っていくと、無理なく作業ができます。
□「認知機能障害」はリハビリすると改善する?
認知機能は改善するのでしょうか?
ウッチーは結構色んなことを試しましたが、なかなか改善したとは言えません。
ですから、一度障害を負うと、改善させるのは難しいと感じます。
しかし、リハビリを通すことで、認知機能がそれ以上低下するのを防げます。
また、リハビリすると対処法も同時に学べるので、それが結構役に立つのです。
実は、先程紹介した認知機能障害の対策も、リハビリをして編み出したものになります。
ですので、認知機能障害が出たらリハビリするといいでしょう。

ウッチーは主に「デイケア」でリハビリをしてきました。
デイケアとは、精神障害を抱えた人に向けた日帰りのリハビリサービスです。
1日6時間程度、デイケアをやっている病院で過ごします。
デイケアには、認知機能が低下するのを防ぐカリキュラムがたくさんあります。
それを実践していけば、普通に生活できるくらいには回復します。
確かに、認知機能は残ってしまいますが、それでも日常生活を送るための力はつきますので、まずはリハビリをされるといいでしょう。
ウッチーは大体6ヶ月くらいデイケアですごしてリハビリしてきました。
このくらい長い時間をかけると、しっかりリハビリができるのでオススメです。
デイケアについてはコチラの記事で詳しく解説しています↓
□「認知機能障害」が出た場合「仕事」はどうすればいい?
認知機能に障害が出ても、働きたいと考える当事者多いです。
ウッチーも療養中は、就労を目標にしていたので、働きたいと願う当事者の気持ちはよくわかります。
ただ、一度認知機能に障害が出てしまうと、普通の仕事は大変だと考えた方がいいです。
実は、ウッチーは障害を隠して就職した経験があるのですが、全く仕事ができず1ヶ月で辞めてしまっています。
ですから、認知機能に障害が出てしまった場合は、障害に理解のある職場を選ぶようにしましょう。
具体的には障害者枠での就労です。
障害者枠は、障害を抱えた方のための就職システムになります。
そのため、障害に対して理解があり、仕事を始めてからのストレスが少なくなります。
賃金が低いというネックはあるのですが、無理なく働くために、障害者枠での就労をオススメします。

ウッチーは障害者枠で就職して、そこで経験を積んでから独立しました。
それで何とかやっているので、最初のステップとして障害者雇用を選択するのは間違っていません。
認知機能に障害が出てしまったら、障害者雇用も視野に入れて活動してみてくださいね。
□今後に期待「認知機能障害」が治る可能性も
ここまで、認知機能に障害が出てしまうと、回復するのは難しいとお伝えしました。
特に、ウッチーは1年以上統合失調症を放置してしまったため、認知機能に障害が出てしまったのです。
そして、リハビリをしたり、クリニックを受診したりしてきましたが、なかなか回復しませんでした。
それでも、自分なりの対策を考え、それを実践しているので、今ところ生活はできています。
そんな中、こんなニュースがありますので、最後にご紹介します。
理化学研究所がマウスを使った実験で、認知機能を回復させたと発表したのです。
この実験によると、NMDA受容体の機能を回復させると、統合失調症の認知機能障害に効果があると発表しています。
NMDA受容体というのは、記憶・学習の過程などに関与している受容体です。
NMDA受容体機能を正常にする遺伝子治療を実施すると、認知機能障害を患ったマウスが回復したようです。
以上のことから、この実験がもっと進み、それをもとにした新薬が開発されれば、認知機能障害は回復する障害になるでしょう。
いずれにしても、今後の流れに期待ですが、希望のある話なので最後にお伝えしました。
□「認知機能障害」が出ても諦めずに治療を進めよう
今回は統合失調症の症状の1つである「認知機能障害」についてまとめました。
残念ながら、一度認知機能に障害が出てしまうと、それを回復させるのは難しいです。
ですが、認知機能障害が出たからと言って、人生が終わるわけではありません。

ウッチーは認知機能障害が出て、苦労をしていますが、普通に生活ができています。
もちろん、たくさんの協力者がいますが、その人たちに手伝ってもらえば、生活できるのです。
最後にまとめとして本記事で紹介した内容を振り返っていきます。
- 「認知機能」って何?
- 「認知機能障害」ってどんな症状なの?
- 「認知機能障害」はこうやって対処しよう
- 「認知機能障害」はリハビリすると改善する?
- 「認知機能障害」が出た場合「仕事」はどうすればいい?
- 「認知機能障害」が治る可能性も
以上6つの内容でお届けしました。
認知機能障害が出ると、確かに苦労しますが、対策はあります。
本記事では、対策方法などをまとめてきたので、あわせて参考にしてみてください。
この記事が、統合失調症になり認知機能障害が出てしまった方の参考になれば幸いです。



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