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「近代という病を抜けて 統合失調症に学ぶ他者の眼差し」の感想

統合失調症に関する書籍
記事内に広告が含まれています。

こんにちは、ウッチーです。

今回は統合失調症に関する書籍の紹介をします。

その名は――。

「近代という病を抜けて 統合失調症に学ぶ他者の眼差し」

という書籍です。

著者は精神科医の仲野実さん。

ガンバロー会という統合失調症の患者さんの団体を主軸にした内容です。

少し難しい感じの本なのですが、興味深い内容でしたので、ご紹介します。

それでは、早速見ていきましょう。

本記事はこんな人にオススメ

  • 違った角度から統合失調症をまとめる書籍を探している方 
  • 統合失調症の社会復帰の形を調べている方

□「近代という病を抜けて 統合失調症に学ぶ他者の眼差し」とは?

著者の仲野実さんとは?

仲野実さんは、大阪市立大学を卒業した精神科医の先生です。

堺市の浅香山病院に精神科医として勤務されました。

約四半世紀勤務し、そこで病院を開放化させ、退院した患者さんの一人暮らしのサポートなどに尽力。

現在は、大阪堺市にある、ナカノ*花クリニックの院長をされています。

また、それ以外には、大阪市立大学で非常勤講師として働いているようです。

自分をハーバード大学卒と名乗ったりするので、なかなかコミカルな一面を持っています。

本の内容

統合失調症の書籍は、かなりたくさんの量が出版されています。

ウッチー

ウッチーもたくさんの本を読んできました。

そして、統合失調症関連の本は、大抵が原因だったり、治療法だったり。

主に病気について書かれています。

ですが、近代という病を抜けて 統合失調症に学ぶ他者の眼差しという本は少し変わっています。

病気の原因や治療法についてはかかれていないのです。

では何が書かれているのかというと――。

「統合失調症の患者さんの団体『ガンバロー会』の実録」

これが詳しく書かれているのです。

また、この書籍は「近代」というのを1つのテーマにしています。

近代において、私たちは、世界を「私」から切り離しているのです。

それはつまり、「対象」として、自分を見ないということでしょう。

世界を対象として見るのは、「近代」の原理と説明しています。

そして、統合失調症というのは、近代の「私・中心主義」が大きく逆転した状態であると説明しているのです。

同時に、近代に社会復帰するのではなく、近代を抜けるというやり方を解説しています。

わかりやすさ

評価 :3/5。

読みやすさ

評価 :4/5。

専門性

評価 :3.5/5。

総合評価

評価 :3.5/5。

ガンバロー会とは?

ガンバロー会というのは、大阪の堺市にある浅香山病院に入院していた人が中心の団体です。

病院を退院して、一人暮らしを始めた人たちが、土曜日の夕方に公民館に集まります。

そこでお茶を飲みながら、とりとめのない話をして、コミュニケーションをするのです。

つまり、雑談会みたいなものと言えるでしょう。

最初はたった3人の団体だったのですが、徐々に規模が大きくなっていきました。

そして、メンバーでハイキングに行ったり、旅行に行ったりと、幅広い活動をしています。

ガンバロー会のメンバーは、一人暮らしの方ばかりです。

ですので――。

「孤独を共有する会」

という風にも言えるかもしれません。

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□「近代という病を抜けて 統合失調症に学ぶ他者の眼差し」のメリット

「近代という病を抜けて 統合失調症に学ぶ他者の眼差し」という本は、どんな点が優れているでしょうか?

ウッチー

ウッチーは基本的に次の点がよかったと感じます

  1. 映画や小説の話がたくさん出てくる
  2. 病院を退院した後の行き場所がわかる
  3. 統合失調症を哲学的に解説している

などの点です。

詳しく見ていきましょう。

メリット① 映画や小説の話がたくさん出てくる

この書籍はとにかく映画や小説の作品名が出てきます。

  • 坂口安吾
  • 藤原新也
  • トリフォー
  • アキ・カウリスマキ
  • H・P・デュル
  • ポール・オースター

など、小説家や映画監督などの情報が豊富なので、その作品を実際に見たくなります。

メリット② 病院を退院した後の行き場所がわかる

統合失調症になると、長期で入院するケースも多々あります。

そんな患者さんが、退院したあと、どうやって暮らしていけばいいのかは需要な問題です。

本書では、ガンバロー会を引き合いに出して、コミュニティに入る重要性を説いています。

どこか行き場所があると、治療にも前向きになれるでしょう。

メリット③ 統合失調症を哲学的に解説している

哲学の話はなかなか難しいです。

ですが、この本は比較的わかりやすく、哲学的に統合失調症を解説しています。

専門的に言うと――。

「統合失調症は近代の『私・中心主義』がカタストロフィカルに逆転した状態」

としています。

そして、世界のあり方を、まだ近代にいる私たちに対して示唆してくれるのです。

そこが通常の統合失調症の書籍とは違う点でしょう。

同時に、近代という時代を終えて次の時代に進む、あるべき姿を示しているのです。

□「近代という病を抜けて 統合失調症に学ぶ他者の眼差し」のデメリット

大変興味深い書籍ですが、デメリットもあります。

それは主に――。

  • 統合失調症の病気については説明がない

ということでしょう。

この本は、タイトルに統合失調症とつくのですが、統合失調症の説明はほとんどありません。

ですので、病気の原因や治療法などを調べている方には向きません。

それでも、ガンバロー会を中心とした、統合失調症の患者さんの生き方が詳しく書かれています。

頑張り過ぎず、ゆるく社会とつながっているだけでも、治療効果はあるのではないかと感じました。

□「近代という病を抜けて 統合失調症に学ぶ他者の眼差し」はオススメです

今回は、仲野実さんの「近代という病を抜けて 統合失調症に学ぶ他者の眼差し」という書籍を紹介しました。

統合失調症を哲学的にまとめ、近代を終えて、次の時代に向けて、私たちはどうするべきなのかが書かれています。

「異者共同体」という中心のない共同体の時代がやってくるのではないでしょうか?

そして、そんな団体が、ガンバロー会の人々であると感じます。

少し難しい内容ですが、読む価値のある書籍なので、この記事で紹介しました。

きっと、あなたもゆるく生きるという姿勢の重要性に気づけるでしょう。

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