意外と歴史が深い?「統合失調症」の抱える闇と解放までのプロセスを知りましょう

統合失調症のコラム

こんにちは、ウッチーです。

みなさんは、統合失調症の歴史を知っているでしょうか?

最近の病気なんじゃないの?

と、このように考える方も多いかもしれません。

実は、統合失調症の歴史はかなり古く、人類発祥の歴史を同じくらいなのです。

今回は、そんな統合失調症の歴史にスポットを当て、色々お伝えしていきます。

一時期は悲惨な時代もあったようですが、どのようにして人間としての尊厳を取り戻したのでしょうか?

それでは、早速見ていきましょう。

本記事はこんな人にオススメ

  • 統合失調症の歴史を調べている方 
  • 精神病患者の今と昔の違いを知りたいと考える方

□統合失調症でいつ頃から確認されている病気なの?

統合失調症は、100人に1人が罹患する病気です。

そのため、決して珍しい病気ではありません。

この病気に男女差はなく、主に30歳以下の若い人が罹ります。

では、統合失調症という病気は、いつ頃から確認されている病気なのでしょうか?

統合失調症という病気の歴史

統合失調症という病気の歴史は、かなり古いようです。

実を言うと、文明の歴史と同じか、それよりも前からあるのでは? と考えられています。

旧約聖書の「サムエル記」には、悪霊の声に悩まされるイスラエルの王、サウルの話が登場するのです。

また、エゼキエル書のエゼキエルには、幻視や幻聴がありました。

したがって、かなり古くから統合失調症という病気はあったようです。

ちなみに、統合失調症は、地球上のすべての地域で確認されています。

さらに、人種・民族も関係ありません。

全ての人間が罹る可能性があり、同じくらいの頻度で発症すると言われています。

つまり、統合失調症の歴史は、人類の発祥と同じくらい古い起源を持つと言えるでしょう。

□統合失調症は誤解や偏見の歴史を背負っている

統合失調症の治療が進化したのは、ここ50年ほどになります。

それ以前は、不治の病として恐れら、暗闇に閉ざされていたのです。

治療が難しかった時代、統合失調症のような精神病は、かつては悪魔の仕業と呼ばれていました。

同時に治療も過酷であり、患者さんに苦痛を与えるものだったのです。

ただ古い時代では、統合失調症は、創造性や予知能力と関係があるとみなされていました。

ですから、このような症状がある方は、聖なるインスピレーションがあるとされ、社会の中で崇められていた時代もあるのです。

このような時代は、統合失調症を患う人間は、高い地位を占めるケースがありました。

そして、精神病があったとしても、普通の人と同じように暮らしていくのが一般的でした。

それが近代に入ると変わってきます。

社会的に精神病は認められていたのですが、17世紀後半くらいから、巨大な精神病の施設が生まれ、精神病患者をとじ込めるようになったのです。

これは主にヨーロッパで誕生し、有名なフランスの哲学者ミシェル・フーコーが生きた時代は、このように精神病患者をとじ込める風習が伝わっていきました。

なぜこのように精神病患者は排除されるようになったのでしょうか?

それには、17世紀のフランスの哲学者、デカルトが唱えた「合理主義」が関係しています。

それまでは、精神病患者は、むしろ神聖な人間として認知されていました。

特にキリスト教において、病める者は、より天国に近い神に愛される存在として認知されていたので、愛されていたのです。

それが、デカルトの唱えた「合理主義」によって、少しずつ変化していきます。

貧困が怠惰のせいにされ、それがいつしか精神病患者にも飛び火するのです。

その結果、精神病患者は、秩序を乱す邪魔者として扱われるようになり、閉じ込められてしまいました。

□精神病患者の不遇の時代が始まる

17世紀後半から、精神病患者はとじ込められるようになります。

ヨーロッパのいたるところに、数千人を収容できる巨大な施設が生まれるのです。

その施設は、施療院と呼ばれていたのですが、社会から外れた色んな人たちが一緒くたに収容されました。

主に――。

  • 精神病患者
  • 貧民
  • 浮浪者
  • 梅毒患者
  • 罪人

全く背景の違う人間たちが一緒くたにされたのには理由があります。

同時に、それが、彼らの監禁された理由でもありました。

その理由というのが――。

「無為怠惰に対する非難」

です。

これは、社会の中で定職につけない失業者という意味になります。

この時代、働かない人間は、秩序を乱すものとして認知されていました。

ですから、閉じ込められてしまったのです。

「フリークショー」のように見世物扱いされた時代でもありました。

□フィリップ・ピネルの登場により鎖から解放される

17世紀後半から18世紀にかけて精神病患者は、閉じ込められて、不遇の時代を送っていました。

人間なのに、人間として扱われず、非人道的な扱いを受けていたのです。

ですが、このような非人道的な扱いは間違っていると、イギリスやフランスで解放運動が生まれるようになります。

これが、18世紀末の話です。

中でも有名なのが、フィリップ・ピネルによる解放運動になります。

ピネルは外科医だったのですが、友人が精神病になったのをきっかけに精神科医に転身します。

そして、巨大な施設で鎖につながれてとじ込められる精神病患者を見て、彼らを解き放つことを決意するのです。

同時に、ここから精神病患者を取り巻く環境が変わっていきました。

統合失調症をはじめとする、精神病患者の歴史には、このような負の時代もたくさんあったのです。

□統合失調症の歴史を知り治療を進めましょう

今回は、統合失調症という病気の歴史をご紹介しました。

意外と長い歴史があるので、驚いたかもしれません。

最後にまとめとして、本記事で紹介した内容を振り返っていきましょう。

  1. 統合失調症でいつ頃から確認されている病気なの? 
  2. 統合失調症は誤解や偏見の歴史を背負っている 
  3. 精神病患者の不遇の時代が始まる 
  4. フィリップ・ピネルの登場により鎖から解放される

以上4つの内容でお届けしました。

人類の歴史と同じくらい昔から、統合失調症はあったようです。

近年は治療も進化しているので、予後もよくなっています。

今回は、少し趣向を変えて記事をまとめましたので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

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