こんにちは、ウッチーです。
統合失調症という病気は古くからあるのですが、実際に治療されるようになったのは、17世紀後半くらいからになります。
そこで今回は、統合失調症という病気に関係の深い、有名な精神科医をご紹介します。
いつもとは趣向を変えて記事をまとめましたので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
それでは、早速見ていきましょう。
本記事はこんな方にオススメ
- 統合失調症に所縁の深い精神科医を調べている方
- 統合失調症の歴史を調べている方
□フィリップ・ピネル
17世紀後半、統合失調症の患者さんは人間としてみなされず、巨大な施設に入れられ隔離されていました。
そんな非人道的な扱いを受けていた患者さんを救おうと立ち上がったのが、フィリップ・ピネルという精神科医です。
ピネルは、もともとは外科医だったのですが、友人が精神病になったのをきっかけにし、精神科医になります。
そして、精神病院で鎖につながれた精神病患者を目の当たりにして、彼らを解放しなければならないと決意を固めるのです。
ピネルは40年もの間鎖につながれて暮らしたイギリス人の大尉を解放します。
この大尉は、ずっと鎖につながれていたため、精神状態が非常に悪化していたのですが、鎖を解き、中庭を散歩させたことにより、症状が劇的に改善したのです。
ピネルの活動は、精神病患者をとじ込めるのは、むしろ症状を悪化させるだけで無意味であると説いたと言えるでしょう。
つまり、ピネルの解放は、精神医療の近代的な管理の仕組みを作り直すきっかけを与えたのです。
□ジャン・エスキロール
エスキロールは名家の生まれなのですが、フランス革命で没落しました。
そして、仕事を探している時に、ピネルの解放運動を知り、自分もその解放運動をしたいと思うようになるのです。
その結果、ピネルの意志を継ぎ、精神科医となります。
エスキロールは、組織改革を進めつつ、丹念に臨床にも取り組みました。
また、エスキロールは、患者の状態を、目に浮かぶように記述する方法を最初に確立させた精神科医です。
エスキロールは患者と治療者の間に家族のような「治療共同体」を作ろうとしました。
患者さんの背景に着目し、家族や周囲の人間との葛藤が原因になっているのであれば、それを切り離して治療を進める必要があると考えるのです。
精神病は、外的な悪化要因があり、そこに患者さんが抱える問題があります。
そんな風にして、精神障害が起こる仕組みを最初に提起した精神科医でもあるのです。
ちなみに彼の意志を継いだジャン・ピエール・ファルレによって、精神症状というのは――、
- 脳の状態
- 備わった性格
- 心理的な環境
このような、3つの要因が関係していると言われるようになりました。
□ベネディクト・オーガスティン・モレル
ピネルやエスキロールのような精神障害者を解放させる運動をした精神科医も入れば、モレルのように、悲観的に考えた精神科医もいます。
モレルは一時期浮浪者のようになってしまうのですが、医学の道を志し、知的障害者の施設で勤務するようになります。
そこで少年の治療に当たっていました。
ただ、そこで統合失調症の少年に出会ってしまうのです。
当時は統合失調症という病気はまだまだ分かっていないことが多く、モレルはこれが「早発性痴呆」なのではないかと考えるようになります。
そして、統合失調症という病気に対し、「早発性痴呆」という病名をつけて研究するようになるのです。
同時に、この疾患は遺伝的なものであり、進行は抗いようがないと結論付け、非常に悲観的な考え方をしました。
□カールバウム
カールバウムは、精神医学の研究に打ち込んだ精神科医の1人です。
元々は、州立の大きな施設で勤務していたのですが、院長と意見が対立し、ポーランドの国境付近の最果ての施設までやってきます。
カールバウムは、病気の症状だけでなく、発症年齢や経過に注意を払いました。
そして、モレルが記載した早発性痴呆という病気にもいくつか種類があると考えたのです。
その結果、新しいタイプである「緊張型」を発見します。
これは、突然症状が発生し、激しい興奮がある統合失調症の病態の1つです。
つまり、カールバウムは、精神疾患をキチンとした基準の下で分類した最初の精神科医であると言えるでしょう。
□エミール・クレペリン
現在の統合失調症の概念を確立したのは、ドイツの精神科医であるクレペリンです。
彼は生まれつき目が悪かったため、心理学の方面で勉強するようになります。
そして、研究成果を「精神医学概論」という書籍にまとめるのです。
これは、版を重ねるごとに大きくなり、最後の改訂版である9版では、3000ページの大作になりました。
また、クレペリンは統合失調症の概念を最初に発表した人物でもあります。
その当時、統合失調症という病気はいくつかの種類にわけられていたのですが、それらはすべて同じ病気であり、タイプが違うだけだと結論付けたのです。
事実、クレペリンの診断方法は、現在の統合失調症の診断にも受け継がれています。
ただ、不幸だったのは、彼が統合失調症という病に、モレルの「早発性痴呆」という名前を付けてしまったことでしょう。
これにより、統合失調症に対する印象が間違った形で伝わってしまい、非常に絶望的な予後を宣告させるものだったのでした。
□オイゲン・ブロイラー
クレペリンの「早発性痴呆」に異を唱えたのが、スイスの精神科医のオイゲン・ブロイラーです。
彼は、精神病は脳の病気であると唱えた、グリージンガーの意志を受け継ぎ、患者さんに対するひたむきな献身を見せたのです。
その上で多くの患者さんの治療に当たり、統合失調症についての独自の理論を作り上げています。
そして、クレペリンが唱えた早発性痴呆は誤りであり、回復する可能性もある病気であると説くのです。
実際にブロイラーが治療に当たった患者さんたちは、回復するケースも多く、統合失調症は人格荒廃してしまうのではなく、必ず治療できると確信します。
このような背景があるため、ブロイラーは「早発性痴呆」という病名を改め――。
「シゾフレニー(Schizophrenie)」
と名付けます。
これは――、
Schizo(分裂した)+phren(心)+ie(病)
を掛け合わせた造語であり、感情と思考が分裂し統合を失うという意味があります。
日本の統合失調症も、これに近い意味があり、現在では正式な名称として使われるようになりました。
□統合失調症と関わりの深い精神科医を知りましょう
今回は、統合失調症と関係の深い、精神科医の情報をまとめました。
統合失調症は、古くからある病ですが、近代から研究が盛んになったようです。
最後に、まとめとして本記事で紹介した内容を振り返っていきましょう。
- フィリップ・ピネル
- ジャン・エスキロール
- ベネディクト・オーガスティン・モレル
- カールバウム
- エミール・クレペリン
- オイゲン・ブロイラー
以上6名を紹介しました。
近代精神医療の分野でいうと、ユングやフロイトなども有名ですが、今回は統合失調症と関わりの深い精神科医を抜粋して紹介しました。
なるべくわかりやすくまとめましたので、ぜひ参考にしてみてくださいね!


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