眠気・体重増加・錐体外路症状との上手な付き合い方|当事者が語るリアル体験

病気について

統合失調症の治療では、薬の効果と副作用のバランスをとることがとても大切です。
症状を安定させるための薬は、同時に眠気・体重増加・錐体外路症状などの副作用を引き起こすこともあります。

僕自身も、薬を飲み始めた頃は副作用に悩み、何度も挫けそうになりました。
けれども、少しずつ自分に合った方法を見つけることで、「薬と共に生きる」ことができるようになりました。

この記事では、実際の経験をもとに、副作用と上手に付き合うための工夫と考え方を紹介します。

眠気との向き合い方 ― 昼間のだるさを乗り越える工夫

強い眠気がもたらす生活の支障

服薬初期で最も多くの人が感じる副作用が「眠気」です。私も例外ではなく、昼間に強い眠気に襲われ、集中力が続かないことがよくありました。特に午前中は頭がぼんやりして、作業や会話にも支障が出るほどでした。恐らく、眠気の副作用は最も多いような感じがします。

眠気は、薬の種類や服用量によっても異なります。医師と相談しながら、服薬のタイミングを夜にずらすなどの工夫が効果的でした。私の場合、朝薬を飲むと日中眠くなってどうしようもなくなってしまうので、夜にまとめて飲むようにしています。

H3:軽い運動と生活リズムでリセット

完全に眠気を消すことは難しいですが、私の場合は軽い運動や生活リズムの見直しでかなり改善しました。たとえば、朝起きたらカーテンを開けて日光を浴びる、午前中に10分程度の散歩をするだけでも、体内時計が整います。また、カフェインを摂る場合も最小限にとどめ、眠気を消すより体を起こす意識で工夫しています。

特に散歩は有効だと感じます。散歩は特に道具も入りませんし、特別お金もかかりません。朝起きて近所を軽く歩くだけでもいいと思います。適度に散歩を取り入れると、体内のリズムも整いやすくなり、夜スムーズに眠れるかもしれません。

体重増加との付き合い方 ― 食事と運動のバランスを整える

薬の影響で太りやすくなる理由

抗精神病薬の中には、代謝を下げたり、食欲を増やす副作用を持つものがあります。僕も一時期、以前より食欲が増し、気づけば体重が20kg以上増えていました。そのことで自己肯定感が下がり、外出するのもためらうようになった時期もあります。

でも、医師から「これはあなたの努力不足ではなく、薬の作用」と説明を受けたことで少し気持ちが楽になりました。統合失調症の治療薬には代謝を低下させるものもあるので注意が必要です。薬の影響で太ってしまう時は、医師と相談して変薬を検討するといいでしょう。

小さな習慣が大きな変化を生む

僕が実践しているのは、「無理のない運動」と「ストレスのない食事管理」です。
たとえば、

  • 毎日10kmのランニング(体調に合わせてウォーキングに変更する日も)
  • 甘い物を我慢せず、カロリーゼロゼリーで代替
  • 夜遅くに食べすぎない工夫

運動を「体重を減らすため」ではなく、「気分を整える時間」として続けることで、結果的に体調も体型も安定してきました。私は一時期ランニングにハマり、1日10キロ走っていましたが、そこまでする必要はありません。ただ、運動は非常に大切だと思うので、何かしらするといいと思います。

錐体外路症状への対処 ― 完全に消えなくても紛らわせる

アカシジアや舌の震えなど、説明しにくい副作用

錐体外路症状(すいたいがいろしょうじょう)とは、手足の震え、舌の動きの異常、体のこわばり、アカシジア(じっとしていられない)などの症状を指します。この副作用は周囲から理解されにくく、僕も最初は「自分がおかしくなったのでは」と不安になりました。

特効薬が効かない場合もあり、完全に抑えることは難しいことがあります。私は錐体外路症状が出た時、副作用止めも服薬しましたが、あまり効果がありませんでした。人によっては効く場合もあるのですが、副作用止めは過度に期待はできないと感じます。

「完全に消す」より「気を紛らわせる」

僕が見つけた方法は、「症状をゼロにする」より「上手に付き合う」という考え方です。

たとえば、

  • 外に出てゆっくり歩く(アカシジアの緊張を和らげる)
  • シャワーを浴びて体をリセットする
  • ガムを噛んで口や舌の動きをコントロールする

こうした方法で、完全ではないけれど今できる対処が見つかりました。それだけでも「自分で少しコントロールできる」という安心感が生まれます。副作用は慣れの問題で案外なんとかなったりする場合もあります。ただ、あまりにひどい場合は医師に相談するようにしてください。

副作用と向き合う心の持ち方 ― 「なくす」より「共に生きる」

副作用を敵としない

副作用があると「薬が悪い」「飲みたくない」と思うのは自然なことです。しかし、薬は症状を安定させるための道具であり、副作用もその裏返しとして起こる現象です。私は、副作用を「なくすべきもの」ではなく、共に生きる対象として受け止めるようになりました。

統合失調症の治療薬はずっと飲み続ける必要があります。だからこそ、その過程の中で副作用は少なからず出てしまうのです。副作用を完全になくすのは難しいですが、共存することはある程度は可能だと感じます。

支え合える場を見つける

同じ悩みを抱える人と話すことで、心が軽くなることがあります。SNSや当事者コミュニティで情報交換をするのもひとつの方法です。誰かの工夫が、自分にも合うとは限りませんが、「自分だけじゃない」と感じることが大きな支えになります。

今は誰でもスマホを持っているので、SNSを通じて情報交換などをするといいでしょう。私もYouTubeで統合失調症に関する情報を紹介しています。いろんな人の意見を聞いたりすると、自分の治療にも活かせる点がいくつか出てくるので、参考になるでしょう。

私のYouTubeチャンネルはこちらです⬇️

【まとめ】副作用と共に生きる ― 自分に合った方法を探そう

統合失調症の薬による副作用は、人によって出方も感じ方も違います。眠気や体重増加、錐体外路症状など、どれも簡単に解決できるものではありません。でも、私が経験から学んだのは、「なくすこと」より「どう付き合うか」が大事だということです。

  • 眠気 → 生活リズムと運動で整える
  • 体重増加 → ストレスをためずに管理
  • 錐体外路症状 → 紛らわせる工夫を探す

小さな工夫を積み重ねることで、「副作用があっても前に進める」自信が少しずつ生まれます。あなたも、自分の体と相談しながら、無理のないペースで歩んでいきましょう。副作用で悩んでいる方は、ぜひこの記事を参考にして、自分なりの対策を考えるようにしてください。

▶ 動画はこちらからご覧いただけます

💬 統合失調症の薬による副作用と、当事者による向き合い方を紹介。
実際の体験談と具体的な工夫を通して、“共に生きる”ためのヒントをお届けします。

👉 【YouTubeで見る】副作用との向き合い方|眠気・体重増加・錐体外路症状の対処法

統合失調症の治療薬についてはこちらの記事でも解説しています⬇️

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