幻聴と共存する方法|「消す」よりも「受け流す」3つの考え方【統合失調症の体験から】

家族に知ってもらいたいこと

はじめに

幻聴や幻視があると、「どうすれば怖さを減らせるのか?」と悩む方は多いと思います。私自身、統合失調症の症状に苦しんだ時期があり、「消えてほしい」と願ってばかりでしたしかし、医師や支援者との関わりの中で、「幻聴を消すのではなく、受け流す」という考え方に出会いました。

今回の記事では、その体験を踏まえながら、幻聴と距離をとり、安心を少しずつ取り戻すためのヒントをお伝えします。

幻聴は「心の弱さ」ではなく脳の反応

幻聴は誰にでも起こり得る脳の仕組み

統合失調症になると、多くの人が「幻聴」を体感します。これは、ストレスとや脳内の情報処理が過敏になることで生じると言われています。ですから、人格や意思の問題ではないと覚えておきましょう。

また、幻聴は統合失調症の患者さんだけの症状ではありません。実を言うと、普通の人でも全く眠らずに1日過ごしたりすると、幻聴のような症状が出るケースがあるのです。このように、一部の人には一時的に出ることもあると押さえておくといいでしょう。

自責感を減らす視点

統合失調症になった患者さんはよく、病気になった自分を責めてしまいます。「なぜ病気になったんだろう?」「自分がよわかったんだろうか?」など、色々考えて自分を責めてしまうのです。しかし、この犯人探しはやめた方がいいでしょう。

なぜなら、統合失調症は「自分が弱いから」なったのではないためです。まずは、症状を正しく理解するようにしましょう。そうすると、安心感が生まれると思います。要は自責感を減らす視点を持つことが大切なのです。

「消そう」とすると逆に苦しくなる理由

「聞かないようにする」が脳の緊張を高める

幻聴は非常に厄介な症状だと思います。と言うのも、私も長い間幻聴に苦しめられてきたからです。その体験から述べさせてもらうと、「聞かないようにする」のが一番効果的なようにも思えるのですが、実はこうすると脳の緊張を高めるような気がします。

また、幻聴に対して意見したり、反応したりするのもあまり良くありません。なぜなら、否定したりすると、精神を著しく疲弊させるからです。このような時は、他に意識を向けるといいと思います。例えば、音楽を聴いたり、外を眺めたりするなどです。

まずは存在を認めるところから

幻聴は否定するのではなく、まずはその存在を認める姿勢を持つといいと思います。しかし、幻聴と幻聴と自覚できるようになるには、相当な訓練が必要になります。ですから、第三者の意見などを参考にして、客観的な視点を持つといいでしょう。

客観的な視点を持てるようになると、いつしか幻聴が「幻」であることがなんとなくわかるようになります。こうなった後は、観察者の視点で受け止めるようにしましょう。嫌な存在であっても、現象として扱うと、上手く折り合いをつけられると思います。

幻聴と距離をとる練習(2つのステップ)

①ラベリング(幻聴に名前をつける)

幻聴を幻聴と自覚するのは難しいですが、第三者に聞いてみると、それが自分にしか聞こえない声だとわかります。そうなってからは、幻聴にラベリング(名前をつける)といいでしょう。なぜなら、言葉に出して整理できるためです。

「これは幻聴」「脳の電気信号」として声に出して整理していくと、幻聴が出ても嫌な思いをせずに、対処できる力が身につくと思います。もちろん、最初からスムーズにできるわけではありません。ですので、まずはできることから少しずつ始めましょう。

②五感を現実へ戻す

幻聴が発生した時は、その幻聴を意識するわけでも、意識しないわけでもなく、他に意識を向けるといいと思います。なぜなら、幻聴は意識してしまうと、余計に強くなってしまったりするためです。また、意識しないようにしても、気になってしまうかもしれません。

ですから、幻聴が発生した時は、「部屋の匂いを感じる」「足の裏に意識を向ける」「手に小物を握る」などして、他の感覚器官を使って、意識を向けるといいでしょう。こうすると、意識が幻聴から他にずれて、案外気にならなくなります。

「共存」の考え方が安心をつくる

「敵」ではなく「反応」

幻聴は統合失調症の代表的な症状なので、よくなってからも、少し調子が悪くなったりすると発生するケースがあります。このような場合、幻聴を「敵」ではなく「反応」として捉えると幻聴が怖くなくなります。

つまり、戦うのではなく、「無視する」「距離を置く」という考え方です。こうすると、心が疲れません。また、ある程度慣れの問題もあって、幻聴があっても慣れてくると、怖さが薄れる場合があります。

小さな成功体験を積む

統合失調症は慢性疾患であり、風邪のように薬を飲んで2〜3日でよくなるような病気ではありません。療養は10年近くになり、非常に長いです。そして、療養を上手く乗り切るための秘訣は、小さな成功体験を積むことでしょう。

例えば、「今日は幻聴を少し無視できた」など、少しの前身でいいので、それらを着実に積み重ねると効果的です。そして、焦りは禁物だと覚えておきましょう。なぜなら、統合失調症はそんなに簡単に回復しないからです。焦らず完璧を求めない心が必要だと思います。

【まとめ】少しずつ「落ち着き」が勝っていく

安心は練習によって育つ

幻聴と上手く付き合っていくのは長い訓練が必要です。ですが、誰でも練習すれば、ある程度落ち着きを取り戻せるようになると思います。もちろん、すぐには変わりません。長い時間をかけて、少しずつ練習する必要があるのです。

そして、繰り返しになるのですが、少しでもいいので、「できた日」を一緒に数えていき、それらを着実に積み重ねていくと、幻聴が出たとしてもスムーズに対処できるようになると思います。焦らずにゆっくり練習しましょう。

必要なときは支援者に頼る

統合失調症は、患者さん一人だけが治療するのではなく、家族、友人といった関係者も一緒になって治療に参加すると、相乗効果で回復すると言われています。ですから、一人で抱え込むのをやめましょう。

あなたには、支えてくれる人が必ずいます。それは家族だったり、友人だったり、あるいは医師や看護師だったりします。そして、助けを求めるのは弱さではありません。むしろ強さであると言えるでしょう。それを覚えておいてください。

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