こんにちは、ウッチーです。
今回は、少し難しいテーマでお話をしていこうと思います。
みなさんは、「ドーパミン仮説」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
これは、統合失調症の病態に関する仮説の1つになります。
何やら難しい単語ですが、統合失調症の治療を見ていく上で、とても重要なのです。
ドーパミン仮説について、なるべくわかりやすくまとめましたので、一緒に見ていきましょう。
この記事が、ドーパミン仮説について調べている方の参考になれば幸いです。
本記事はこんな人にオススメ
- ドーパミン仮説について調べている方
- 統合失調症の治療を進めている方
□まずは確認!「ドーパミン仮説」って一体何なの?
ドーパミンとは?
統合失調症のお薬について調べていると、よく「ドーパミン」という言葉が出てきます。
ドーパミンというのは、脳内物質の1つです。
神経伝達物資の1つであり、快感や多幸感を得るために重要になっています。
そして、このドーパミンが過剰に生産されると、統合失調症の嫌な症状が出やすくなると言われているのです。
つまり、統合失調症とドーパミンは密接な関係あると言えるでしょう。
そんなドーパミンですが、こんな言葉を聞いたことがありますか?
それは――。
「ドーパミン仮説」
ということです。
統合失調症でドーパミンと調べていると、この単語にぶつかるケースが多くなっています。
一体、ドーパミン仮説とはどんな意味なのでしょうか?
ドーパミン仮説とは?
ドーパミン仮説とは、統合失調症の病態に関する仮説の1つです。
統合失調症の嫌な症状を抑えるのに、有効なお薬の多くが、ドーパミンの過剰な生産を抑える働きがあります。
ですから、ドーパミンを抑えることが統合失調症の嫌な症状の抑えるのに関係があるのでは? と考えた仮説です。
少し専門的に言うと――。
「統合失調症という現象に対して、その現象に影響を与えるお薬の同一性をもってして、ドーパミン仮説という理論が形成されました」
という風に言えるでしょう。
ドーパミン仮説の提唱者
ドーパミン仮説を提唱したのは、一体誰なのでしょうか?
これはハッキリしています。
ドーパミン仮説を提唱したのは、スウェーデンの薬理学者である――。
「アルビド・カールソン」
という研究者です。
神経伝達物質であるドーパミンと、そのパーキンソン病における働きの研究で注目を集めました。
ちなみに、カールソン氏は、2000年にノーベル生理学・医学賞を受賞されています。
ドーパミン仮説が生まれた背景
ドーパミン仮説が生まれたきっかけは、1963年に提唱されたクロプロマジン及びハロペリドールというお薬です。
実は、この2つのお栗は、ドーパミンをブロックする働きがあります。
そして、このお薬を服薬すると、統合失調症の嫌な症状が消えるという報告があったのです。
ですから、統合失調症の薬物療法の黎明期には、このようなお薬がたくさん使われるようになりました。
同時に、このようなドーパミンをブロックするお薬が、統合失調症の治療に効果があるとわかったため、一気に治療が進むようになったのです。
ドーパミンをブロックするお薬がなかった時は、統合失調症は不治の病として恐れられました。
長期にわたって精神病院に入れられて、ひっそりと生活するしかなかったのです。
ですが、クロプロマジンやハロペリドールが登場し、統合失調症は治療できる病になりました。
また、このお薬が持つドーパミンをブロックする働きが、精神科の薬物療法の土台となっていくのです。
□ドーパミン仮説は本当に正しいのか?
ドーパミンをブロックするお薬の登場で、統合失調症の治療は一気に進みました。
ですが、1980年代になると、統合失調症にはいくつかの症状があるとわかってきます。
それが――。
- 陽性症状
- 陰性症状
になります。
陽性症状というのは、「幻覚」「妄想」などが生じる症状です。
これに対して、陰性症状というのは「感情が鈍化する」「無気力になる」といった症状になります。
そして、陽性症状に効果のあるお薬は、実は陰性症状には効果がないとわかったのです。
というよりも、逆に陰性症状を悪化させてしまうと言われるようになりました。
このような背景があり、ドーパミン仮説は実は間違っているのではないか?
と、考えられるようになりました。
また、次のような疑問も浮かんできたのです。
それは――。
- 抗精神病薬が効かない患者がいるのはなぜか?
- 抗精神病薬の1つであるクロザピンは効力が弱いけど効く点がある
など、ドーパミン仮説に疑問を投げかける薬理学的な根拠も多数出てきたのです。
そんな中、1991年に――。
「修正ドーパミン仮説」
が提唱されるようになります、
この仮説では、統合失調症は脳の部位により、ドーパミン系の低活動と過活動が混在していると示しています。
実は、中脳皮質ドーパミン系の低活動が、認知障害や陰性症状に関わっているのではないかと言われるようになったのです。
そして、皮質下ドーパミン系の過活動が陽性症状に関連するとわかりました。
このことから、ドーパミンを1つのまとめるのではなく、作用する場所や症状によって違いが出るのではないかと言われるようになったのです。
ただ、この仮説も脳の活動性の部位別の違いが、本当にドーパミン系の活動性によるものなのかは示されていません。
つまり、ドーパミン仮説は、まだまだ正しいと立証されたわけではないのです。
□少し難しいけれど「ドーパミン仮説」について知りましょう
今回は、少し難しい「ドーパミン仮説」についてまとめました。
これまで述べてきたとおり、ドーパミン仮説はまだ正しいと立証されたわけではありません。
しかしながら、統合失調症の治療を語る上ではかなり重要な仮説なので、今回1つの記事にしてまとめました。
最後にまとめとして本記事で紹介した内容を振り返っていきましょう。
- 「ドーパミン仮説」って一体何なの?
- 「ドーパミン仮説」は本当に正しいのか?
以上2つの内容でお届けしました。
なるべくわかりやすくまとめましたので、ぜひ、じっくり読んでみてくださいね。
この記事が、ドーパミン仮説について調べている方の参考になれば幸いです。


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