統合失調症の「親亡き後」どう生きる?使える制度・収入モデル・最初の相談先をわかりやすく紹介

家族に知ってもらいたいこと

親がいなくなった後に必要なのは 仕組みを知ること

なぜ「不安の正体」は制度を知ると薄れるのか

親亡き後の不安は、「お金」「住まい」「日常生活」の3つに集約されます。
しかし実際には、これらを支える制度は多く存在し、組み合わせれば生活の見通しが立てられます。特に、統合失調症など慢性疾患のある方は、継続した支援を前提にした制度が整っています。

統合失調症は若くして発症する人が多いため、患者さんの多くは両親がまだ健在のケースが多いです。しかし、親はいつまでも働けるわけではなく、亡くなった時のことも考えなければなりません。早めに親亡き後の生活を考えるのは、統合失調症の患者さんには非常に重要です。

誰のための記事か(対象者像)

今回の記事は、主に下記のような方々を対象にしています。特に読んでもらいたいのは、統合失調症を患う当事者本人です。親が亡くなった時のことを、亡くなった後に考えるのではなく、早めに考えておくと、何かあった時に対処しやすくなるでしょう。

  • 統合失調症や気分障害などで長期療養している方
  • ご家族、特に親御さん
  • 相談支援員、支援者
  • 「親亡き後」に備えたい方

この記事では、数字ベースで現実的な生活像を描けるように解説します。特に障害年金や作業所の賃金、そして生活保護など、幅広い視点で現実感のある生活像を紹介しましたので、ぜひ、最後までご覧ください。

収入の柱:障害年金×作業所(A型・B型)×生活保護

障害基礎年金は生活の土台になる

障害基礎年金(2級)の場合、月額およそ6.5万〜7万円が基準。地域や加算により多少変動しますが、「収入のベース」として非常に重要です。障害年金は、それまで年金を払っていないと受給できないのですが、もらえる権利がある人は絶対に申請をした方がいいでしょう。

  • 2級:月約65,000〜75,000円
  • 1級:その1.25倍(およそ81,000〜95,000円)

年金があるだけで、生活保護を申請する際も条件が大きく変わります。私も障害年金を受給していますが、これがあるとないでは、生活の安心度が全然違います。障害年金で足りない分を働いて稼げばいいので、短時間勤務でもOKなケースが多いのです。

A型・B型作業所のリアルな収入イメージ

ここでは、就労継続支援A・B型それぞれの収入額を見ていきます。おおよその目安として出しましたので、ぜひ、参考にしてみてください。また、このような福祉サービスは障害に対する理解も深いので、働いてからのストレスが軽減されるでしょう。

A型作業所の手取り:

  • 月3万〜8万円(地域差あり)
  • 雇用契約あり、賃金保障あり

B型作業所の工賃:

  • 月5,000〜20,000円程度
  • 創作・軽作業中心で自由度が高い

A型+年金で 月10〜15万円前後。B型+年金で 月7〜9万円前後 が現実的な目安です。【A型で働く → 一般就労の準備】、【B型で働く → 生活リズムづくり・自己表現】と役割が異なります。

生活保護と医療費・家賃の支援で赤字を防ぐ

生活保護(生活扶助・住宅扶助・医療扶助)で実質の生活費が守られる

生活保護は「最後のセーフティネット」として利用できます。日本では例え働けなくなった場合でも、最低限の生活ができるように国が支援してくれるので、生活保護は最後の砦として考えましょう。

主な支援は以下の3つ:

  • 生活扶助:食費・光熱費など(単身:約77,000〜85,000円)
  • 住宅扶助:家賃上限を市区町村が定める
  • 医療扶助:病院代・薬代が原則無料

障害年金がある場合、生活保護費から差し引かれますが、結果として生活は最低限保障される仕組みになっています。生活保護は甘えだとか、恥ずかしいからとか、そのような理由で申請をためらう人がいますが、それらは全て偏見です。あなた自身の権利ですので、遠慮せずに申請しましょう。

医療費ゼロと家賃サポートは精神疾患にとって非常に重要

統合失調症は治療継続が必須。医療扶助があることで、通院や薬代の負担が消え、体調の安定につながります。住宅扶助があると、

  • 家賃4〜5万円の物件に住める
  • 住み替えも可能

など、「親亡き後の住まい」の大きな支えになります。住む家があると、生活が安定します。なぜならそこを基盤として活動できるからです。また、持ち家がある場合は、それを利用することもできます。但し、持ち家がOKとされると、住宅扶助がなくなり、総合的な支給額は減りますので、覚えておきましょう。

住まいの選択肢:公営住宅・家賃減免・住居確保給付金・グループホーム

単身でも使える「住まい支援」が多い

親亡き後、最も心配なのが住まいです。しかし選択肢は意外と広く、以下の制度が利用できます。

  • 公営住宅(家賃:所得に応じて1〜3万円台も)
  • 住居確保給付金(最大9ヶ月の家賃補助)
  • 家賃減免(自治体の独自制度)
  • グループホーム(支援付きで月4〜7万円)

特に公営住宅は、精神疾患でも応募でき、家賃が非常に安く済みます。私も一時期、神奈川県の市営住宅で暮らしていましたが、その時は、2DKの物件で家賃が13,600円でした。かなり格安で住めるので、市営住宅は非常にオススメです。

「一人暮らし」「支援付き暮らし」どちらも選べる

親が亡くなった後、結婚をしていなければ多くの場合で一人で暮らすと思います。しかし、福祉サービスを利用すれば、統合失調症であっても一人暮らしは可能です。具体的には、下記のようなパターンがあります。

  • 生活保護+公営住宅で安定
  • 支援付きグループホームで見守りのある暮らし
  • A型で徐々に働きながら、普通のアパート暮らし

など、状態や年齢に合わせて選べます。「親がいなくても、一人で暮らせる仕組み」はすでに整っています。いきなり一人暮らしが不安という人は、グループホームがいいかもしれません。ここは同じ障害を持つ方が共同生活を送るので、不安が軽減されるでしょう。

【まとめ】まず最初に相談すべき場所

相談先リスト(最初の窓口)

親亡き後の準備は、一人で抱えこむ必要はありません。以下が最初に相談しやすい窓口です。様々な場所がありますが、比較的利用しやすいのは地域包括支援センターかもしれません。地域の福祉全般を扱っているので、とりあえずここに行けば色々と教えてくれるでしょう。

  • 地域包括支援センター(地域の福祉全般)
  • 相談支援専門員(計画相談)
  • 社会福祉協議会(住まい・貸付)
  • 福祉事務所(生活保護)

まずは1つでOK。そこから必要な制度につなげてもらえます。また、役所の障害福祉課などに行っても教えてくれる場合があります。ここでは、次につなげるための方法を教えてくれるので、利用してみてもいいでしょう。

制度を知ることは安心材料になる

親が亡くなった後のことを考えると、多くの当事者が不安になります。しかし、できることを親が健在のうちからやっておけば、自ずと不安は解消されるでしょう。最後の今回の記事で紹介したポイントを振り返っていきます。

  • 収入の柱は「障害年金×作業所×生活保護」
  • 住まいは公営住宅・家賃補助・グループホームなど複数の選択肢
  • 相談先を確保すれば、一人で抱えなくてよい

覚えておいて欲しいのは、制度を知るということです。なぜなら、未来の不安を解消する第一歩だからです。将来に対して不安ばかりと考える人は多いと思いますが、少しずつ準備すれば、例え親が亡くなったとしても、あなたは一人で暮らしていけるのです。

この内容は、YouTube動画でも図や具体例を交えながら詳しく解説しています。
文章だけでは伝わりにくい「金額のリアル」や「支援の選択肢」も紹介していますので、ぜひあわせてご覧ください。

👉 動画はこちらから視聴できます

福祉サービスについてはこちらの記事でも詳しく解説しています⬇️

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