芸術・音楽療法の効果とは?デイケアやB型作業所でできる表現の力

家族に知ってもらいたいこと

「芸術療法や音楽療法って本当に効果があるの?」

「デイケアやB型作業所でも体験できるの?」

精神疾患を抱える方やそのご家族にとって、こうした疑問はとても身近なものだと思います。

私自身、統合失調症の当事者として芸術療法・音楽療法を体験してきました。その中で感じた効果や可能性について、率直にお伝えします。

芸術療法・音楽療法とは?

芸術療法の基本

芸術療法とは、絵を描いたり、粘土をこねたり、造形を行うことで、心にある感情を表現し整える方法です。「絵が上手いかどうか」は関係なく、自由に表現することでストレスが和らいだり、自分を客観的に見られるようになったりします。

私も最初は上手い絵を描かなければならないと思っていたのですが、それは間違いでした。上手いとか下手とかそのような概念には意味がないのです。自分の感じていることを素直に絵に表現するだけで治療の効果があります。

音楽療法の基本

音楽療法は、歌を歌ったり楽器を演奏したり、音楽を聴いたりすることで心を癒す方法です。リズムやメロディーに合わせて体を動かすことで、気分転換やリラックス効果も得られます。

私は主にデイケアで音楽療法を行いました。好きな音楽を聴き過ごすのです。また、私は趣味でヴァイオリンをしているので、暇な時間に演奏して楽しんでいます。音楽を聴いたり、演奏したりする行為は、リフレッシュにもつながるので、非常にオススメです。

芸術や音楽が心を整える体験

表現することで気持ちが軽くなる

私が絵を描いたとき、うまく言葉にできなかった不安や焦りを色や形で表現できました。それを見返すと「自分は今こういう気持ちだったのか」と気づき、気持ちを整理する手助けになったのです。

芸術療法は、自分の感情(具体的には喜び、悲しみ、驚きなど)を絵に向かって表現するだけです。感じたままに表現することが大切で、それが気持ちの整理につながっていくのです。

音楽が生むリフレッシュ感

音楽に合わせて歌ったり手拍子をしたりすると、心がほぐれて緊張が和らぎました。大きな変化はなくても、その瞬間に楽しい気持ちになれるのは確かな効果だと実感しています。

音楽を聴いている時間は、リラックスできるという人も多いのではないでしょうか? 私も寝る前や暇な時間に音楽を聴いて楽しんでいます。また、歌ったり、演奏したりするのもオススメです。聴くのとは違う新しい刺激が得られるでしょう。

すぐに効果を感じなくても大丈夫

積み重ねで見える変化

芸術療法や音楽療法は、1回で劇的に変わるものではありません。しかし、続けていくうちに「気分の波が少し穏やかになった」「前より表現することが楽になった」と感じる瞬間が増えてきます。

統合失調症のリハビリは、1回だけやるから効果が出るかといったら出ません。というよりも、長く続ける必要があるのです。ですから、自分の気に入ったリハビリを、最低でも1ヶ月は続けましょう。特に、音楽療法や芸術療法は楽しみながらできるため、続けやすいというメリットがあります。

小さな安心感が積み重なる

たとえば、「今日は色を塗れた」「楽器に触れた」というだけでも小さな達成感になります。こうした体験が積み重なることで、生活全体の安定につながっていくのです。

リハビリを続ける秘訣は、小さな達成感を積み重ねることでしょう。ちょっとだけでいいのです。劇的に成長する必要はありません。例え少しだったとしても、それが1ヶ月、半年、1年と続くと、大きな成長になるのです。

デイケアやB型作業所でできる工夫

身近な環境で始められる

芸術療法や音楽療法は、特別な施設に行かなくても、デイケアやB型作業所の活動の一環として取り入れることができます。画用紙や色鉛筆、カラオケ機材など、身近な道具で十分始められるのです。

特にデイケアではいろいろなリハビリが試せるので、自分の好きなものから挑戦していくといいでしょう。また就労継続支援B型の施設は、実際に働くためリハビリしながら賃金がもらえるのが大きな魅力です。

費用をかけずにできる方法

プロの指導がなくても、「描く・歌う・聴く」こと自体が大切です。高価な道具や専門的な環境がなくても、仲間と一緒に創作するだけで心が整う経験が得られます。

デイケアやB型の作業所は、費用をかけずにスタートできるという点が、非常に優れています。デイケアは自立支援医療制度が適用されるため、1回あたりの利用料は500円程度です。またB型は工賃という形で、少なからず賃金が発生するので、それがやりがいにもつながります。

デイケアや就労継続支援B型についてはこちらの記事でも詳しく解説しています⬇️

【まとめ】表現は誰にでも開かれている

芸術療法や音楽療法は、特別な才能やスキルが必要なものではありません。

精神的な不調を抱えている人にとって、「言葉にならない思いを外に出す」手段として大きな意味を持ちます。

  • 芸術や音楽は心を整理し、安心感を与えてくれる
  • 効果はすぐには出なくても、積み重ねで実感できる
  • デイケアやB型作業所でも身近な方法で実践できる
  • 表現は誰にでも開かれており、心を癒す力を持っている

もし少しでも関心があれば、まずは簡単な絵を描いてみる、好きな音楽を歌ってみる。

そんな小さな一歩から始めてみてはいかがでしょうか。

▶ 動画はこちらからご覧いただけます

🎥 芸術療法や音楽療法の効果について、当事者として体験したリアルを語りました。

精神的な不調を抱える方、支援者やご家族にぜひ見ていただきたい内容です。

【YouTubeで見る】芸術療法・音楽療法の効果|デイケアやB型作業所でもできる“表現の力”

芸術療法と音楽療法については、こちらの記事でも詳しく解説しています⬇️

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