統合失調症のリハビリには「SST」が有効! 一体どんな治療なの?

就職・サービス・治療法について

こんにちは、ウッチーです。

「統合失調症になり、社会生活機能が衰えたような気がする。こんな時、どうしたらいいの?」

と、こんな風に考える当事者も多いです。

結論からお話しすると――。

「社会生活機能を回復させるには【SST】というリハビリが有効!」

です。

今回は、社会生活技能訓練の1つ、「SST」を紹介します。

ウッチー

実は、ウッチーもSSTを使ってリハビリを進めてきた1人でもあります。

その結果、確かな効果があると感じたので、コチラでまとめていきます。

この記事が、統合失調症のリハビリをしたいと考える方の参考になれば幸いです。

本記事はこんな方にオススメ

  • 統合失調症のリハビリを考えている方 
  • 社会生活機能が低下していると感じている方

□教えてほしい!「SST」ってどんなリハビリなの?

統合失調症の治療は、薬物療法が中心です。

しかしながら、それにプラスしてリハビリを行うと、相乗効果で回復が進みます。

SSTはそんなリハビリの1つです。

まずは、SSTとはどんなリハビリなのか? コチラを見ていきましょう。

SSTとは?

SSTは、(Social Skills Training=ソーシャル・スキル・トレーニング)の略です。

日本語に訳すると――。

「生活技能訓練」

「社会生活技能訓練」

と、なります。

精神に障害を持った方が、社会で生活していくためには色んな技能が必要です。

例えば――。

  • 対人関係を良好にするスキル
  • ストレスに上手く対処するスキル
  • 問題に直面した時に解決するスキル

などが、必要になってきます。

そして、このような社会で生きていくために必要なスキルを身につけるトレーニングを、SSTと呼んでいるのです。

社会生活を送るための必要なスキルが身につくので、統合失調症のリハビリには、ぜひ行いたいトレーニングの1つです。

主に、認知行動療法にもとづいたリハビリの一種で、数多くの施設で、SSTは導入されています。

※認知行動療法:認知に働きかけて気持ちを楽にする精神療法(心理療法)の一種。認知とは、ものの受け取り方や考え方という意味になります。

認知行動療法についてはコチラの記事で詳しく解説しています↓

□「SST」を行うと向上する3つの技能とは?

SSTは社会生活を送るために必要なスキルを体得できます。

実を言うと、統合失調症になると社会生活機能が、かなり低下するのです。

例えば――。

  • 家事・お金の管理などの日常生活の技能が上手くできなくなる
  • 対人関係が苦手になる
  • 病気の管理能力が低下する

こんな風に社会生活機能が衰えてしまいます。

そうなると、当然ですが普通に暮らしていくのは難しいでしょう。

このような時に、SSTは有効です。

ウッチー

ウッチーは、SSTを使って確かに回復してきましたし、このリハビリには、3つの技能が学べると感じます。

それは――。

  1. 日常生活技能の向上
  2. 社会生活技能の向上
  3. 病気の自己管理能力の向上

この辺りの技能がしっかりとトレーニングできるようになっています。

1つずつ見ていきましょう。

SSTで向上する技能① 日常生活技能

統合失調症になると、日常生活技能が衰えます。

日常生活技能というのは――。

  • 食事や身だしなみ
  • お金の管理や買い物
  • 料理や洗濯

などの技能を指します。

このような当たり前の技能ができなくなってしまうのです。

しかし、SSTを行うと日常生活に必要な技能が向上します。

SSTで向上する技能② 社会生活技能

社会生活を普通に送るためには、対人関係を学ぶ必要があります。

社会に出たら、人と接しないと生きていきません。

ですから、必然的に対人関係を良好にする技能が必要なのです。

SSTでは主に――。

  • あいさつをする
  • 電話をかける
  • 人にわからないことを質問する
  • 医師に自分の困っていることを伝える

などの基本会話を中心にしてトレーニングにしていきます。

また、それ以外にも――。

  • 地域生活への参加の仕方
  • 結婚生活
  • 友情の維持

このような目的を持ち、トレーニングすることもできます。

対人関係の全般がトレーニングできるので、SSTはリハビリに有効なのです。

対人関係のついてはコチラの記事で詳しく解説しています↓

SSTで向上する技能③ 病気の自己管理能力

統合失調症になったら、自分の病気を正しく理解する必要があります。

病識が薄いままだと、どうしても治療効果が上がりません。

例えば――。

  • 服薬を続ける方法
  • 副作用への対処法
  • 症状が現れた時のコントロール方法

など、SSTではこの辺りの病気の管理能力が学べます。

統合失調症は長い付き合いになる病気です。

ですので、病気と上手く付き合っていくために技能を身につける必要があります。

□「SST」ってどんなことをしてトレーニングするの?

具体的に、SSTはどんな風にしてリハビリするのでしょうか?

この項目では、SSTの特徴であるローププレイについて解説します。

SSTは「ロールプレイ(役割演技)」という方法で行われます。

※ロールプレイ:自分とは違った立場の特定の人物になりきり、ある問題について考え、それを解決していくことで、適切な対処方法を学ぶ手法

ロールプレイは、数名のグループで行われます。

そこで、日常生活で起こりうる問題を想定し、参加者たちがその場に登場する役割をそれぞれ演じていくのです。

実際に役割を演じるので、問題が発生した時の適切な対処法を学んでいけます。

同時に、学んだことが日常生活でも応用できるように、トレーニングしていくのです。

これを続けていくと、社会生活技能が少しずつ回復していきます。

苦手だったことが1つずつできるようになり、自信が回復するのです。

ロールプレイの具体的な流れ

  1. 5人程度のグループを作り、練習したい場面を具体的に想定する
  2. 最初はスタッフが見本を見せ、その真似をすることから始める
  3. 参加しているメンバーだけで役割を決める
  4. 実際に、メンバーだけで役割を演じる

このような流れで行います。

そして、ロールプレイが終わったら、「正のフィードバック」を行います。

これは、お互いのよかったところをみんなで見つけることを指すのです。

批判や非難はしないで、相手の意見を受け入れ、自分の意見を適切に表現していきます。

そして、この正のフィードバックを踏まえ、改善点を出していくのです。

その後、改善点を把握しながら、再度ロールプレイをして、社会生活技能を高めていきます。

ロールプレイはこんな感じで行われる

例えば、道に迷い、人に道を尋ねる場面を想定しましょう。

この時、次のような形でロールプレイは行われます。

  1. 道を聞く人=A、道を教える人=Bでわかれる
  2. 実際にAがBに道を尋ねる演技をする
  3. Bは道を教えてあげる
  4. Aはお礼を言い、目的地にたどり着く

このように役割を演じていくことで、問題が発生した時の対処法学ぶのです。

これができるようになると、確実に社会生活技能が向上していきます。

□「SST」はどのくらい行うと効果があるの?

SSTは確かな効果のあるリハビリ方法です。

しかしながら、即効性のある手法ではありません。

問題に相対した時、それを上手く対処するのは、なかなか難しいのです。

ですから、1週間程度で身につくような感じではありません。

ウッチー

ウッチーは大体半年ほどSSTを続けました

経験上、半年から1年ほどトレーニングを続けると、確かな効果があると感じます。

かなりゆっくりなペースですが、焦らずじっくりリハビリを続けましょう。

また、一度会得したSSTの技能は、その後の生活で使うようにしてください。

実は、SSTは訓練が終わった後、何もせずにいると、元に戻ってしまうのです。

ですから、それを日常生活で実践していくようにしましょう。

例えば――。

  • 家族や近所の人にあいさつをする
  • 医師に自分の状況を説明する
  • 困ったことがあったら人に聞いてみる

このようにして、会得した社会生活技能を使っていくようにすると、効果的です。

覚えた技能をさびつかせないためにも、気軽な気持ちで、日常生活で使っていきましょう。

□「SST」ってどこで受けられるの?

ここまでSSTの確かな効果を語ってきました。

そうなると、実際に受けてみたいと思う当事者も多いでしょう。

では、SSTはどこに行けば受けられるのでしょうか?

統合失調症の方がSSTを受けるためには、基本的に次の場所がいいでしょう。

  1. デイケア
  2. 就労移行支援の事業所
  3. 就労継続支援の事業所

これらの施設で受けることができます。

1つずつ見ていきましょう。

「SST」が受けられる場所① デイケア

デイケアは精神疾患を抱えた方に向けたリハビリサービスです。

色んなプログラムがあり、多くのデイケアでSSTを導入しています。

ウッチー

ウッチーの通っていたデイケアの施設でも、SSTはありました。

ですので、まずはデイケアに通うといいでしょう。

デイケアについてはコチラの記事で詳しく解説しています↓

「SST」が受けられる場所② 就労移行支援の事業所

就労移行支援は、障害を持つ方に向けた就労サポートサービスです。

障害者に向けた就労への取り組みは、近年充実してきています。

よって、多くの就労移行支援の事業所でSSTを取り入れているのです。

就職のサポートを受けながら、社会生活技能を向上させられます。

就労移行支援についてはコチラの記事で詳しく解説しています↓

「SST」が受けられる場所③ 就労継続支援の事業所

就労継続支援は、障害を持つ方に向けて、働く場所を提供してくれます。

A型とB型の2つがあります。

A型は雇用契約を結び、最低賃金が保障されるのです。

B型は雇用契約を結びませんが、工賃という形でお給料が出ます。

このような働くための場所でもSSTは導入されているのです。

働きながら、社会生活技能を高められるので、あわせて参考にしてみてくださいね。

就労継続支援についてはコチラの記事で詳しく解説しています↓

□「SST」を受けて統合失調症のリハビリを効果的に進めよう

今回は統合失調症のリハビリの1つである「SST」を紹介しました。

ロールプレイという役割演技を通し、社会生活技能が向上していきます。

即効性はありませんが、しっかり続ければ確かな効果が望めるでしょう。

ウッチー

ウッチーも、SSTを通して衰えた社会生活技能を回復させてきました。

ですから、SSTの素晴らしさをよく知っています。

そして、多くの方にSSTを知ってもらいたいと考え、この記事を執筆しました。

最後にまとめとして、本記事で紹介した内容を振り返っていきましょう。

  1. 「SST」ってどんなリハビリなの? 
  2. 「SST」を行うと向上する3つの技能とは? 
  3. 「SST」ってどんなことをしてトレーニングするの? 
  4. 「SST」はどのくらい行うと効果があるの?
  5. 「SST」ってどこで受けられるの?

以上5つの内容でお届けしました。

ウッチーはSSTを通して――。

  • 対人関係のスキルが学べた
  • 問題が起きた時の解決策を訓練できた
  • 日常生活を円滑にすごすための技能が会得できた

など、多くのメリットがあったと感じています。

逆にSSTをしてなかったら――。

  • 一人暮らしができなかったかもしれない
  • 回復が遅れて、苦しんでいたかもしれない

このようになっていたかもしれません。

それでも、SSTを通して、確かに社会生活技能が回復しました。

確かな効果があるので、統合失調症のリハビリをする時は、ぜひSSTを受けることを検討してみてください。

きっと、確かな治療効果があるでしょう。

この記事が、統合失調症のリハビリを始めようとしている方の参考になれば幸いです。

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